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判決後のマスコミ報道と“たぬきの森”のこれから

 

◆主要マスコミの判決報道

  地元・下落合をはじめ、全国各地のみなさまからの温かいご支援/ご声援とご協力によりまして、2009年(平成21)12月17日に歴史的な判決が下されました。「下落合みどりトラスト基金」としましても、ここに改めてみなさまに深く感謝申し上げるしだいです。

  判決翌日の12月18日には、新聞各紙(朝日、読売、毎日、東京、日経、産経)の紙上で、いっせいに写真入りで大きく報道されました。特に地元紙の東京新聞では、一面トップをはじめ他紙面でも大きく掲載され、東京MXテレビでもトップニュースとして報道されるなど、“たぬきの森”をめぐる最高裁判決への関心の高さがうかがわれます。「トラスト基金」事務局も、数多くの記者からの取材を受けました。

  新聞各紙の報道の要点をまとめますと、完成間近のマンション(実際は重層長屋)の建築確認が取り消されるのはきわめて異例で、関係者の各コメントとして新宿区長は「司法の決定を真摯に受け止める」、業者は「法的に認められ建築を進めていたのに困惑している。新宿区に損害賠償請求することも視野に検討したい」、下落合住民は「公園化してもらい、自然を復元したい」などを掲載し、今後は建築中の建物が取り壊しになるか否かに注目が集まっている・・・との内容でした。

本来はマンションではなく、「重層長屋」と呼ばれる建築仕様です。旗竿状敷地で集合住宅(マンション)は建設できないため、業者は廊下など共有部分が存在しない重層長屋を計画しました。重層長屋には各戸に出口があるため、形状はマンションでも「長屋」Click!と解釈されます。

●テレビ

NHK

http://www3.nhk.or.jp/news/k10014483531000.html

■テレビ朝日

http://www.tv-asahi.co.jp/ann/news/web/soci_news34.html?now=20091220011555

■フジテレビ

http://www.fnn-news.com/news/headlines/articles/CONN00168578.html

■東京MXテレビ

http://www.mxtv.co.jp/mxnews/news/200912187.html

●新聞

■毎日新聞

http://mainichi.jp/select/today/news/20091218k0000m040082000c.html

■朝日新聞

http://www.asahi.com/national/update/1217/TKY200912170383.html

■読売新聞

http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20091217-OYT1T01205.htm

■東京新聞

http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2009121802000086.html

■日経新聞

http://www.nikkei.co.jp/news/shakai/20091218AT1G1704U17122009.html

■産経新聞

http://sankei.jp.msn.com/affairs/trial/091217/trl0912172017027-n1.htm

 

◆“たぬきの森”をめぐる経緯と課題の整理

  周辺住民のみなさんは、このような判決(建築確認取り消し)を想定し、新宿区には“たぬきの森”の買い取り予算として、特例に相当する評価額(3,000m2以下の建物が建築可能)を要求していましたが、区側は提訴される怖れがあるため特例に相当しない評価額(1,000m2未満の建物が建築可能)である5億4,000万円を公園化予算として用意したため、周辺住民は新宿区の「ダブルスタンダード」ぶりに困惑しました。また、建設業者に対しては、全国からの署名と寄付額を提示し(新宿区の公園化予算と合わせ、特例認定以前の売り値を上回る額になりました)、自然保護の観点から多くの世論の声を受け止めて欲しいと、たびたび陳情してきましたが、社長印のない無効と思われる書面Click!を提示したり、買い取り額の表記を3,000万円 Click!も間違えたり、建設説明会に集まった住民たちを怒鳴りClick!つけ罵倒Click!恫喝Click!を繰り返し、話し合いの途中に無断で樹木を伐採Click!し、工事協定締結前に強行着工Click!をするなど、とても社会的な責任が重い上場企業とは思えない、たび重なる横柄かつ傲慢で不誠実な対応に終始してきました。また、業者の担当者は、係争中にもかかわらず着工したことについては、会社としてリスクを背負って建設に踏み切ったので、判決によって違法とされた場合は建築中の建物をただちに取り壊すとさえ説明会でたびたび明言し、録音テープにも言質は残されています。

  このように、住民や新宿区へ大きな痛みを与え、さらに建設業者が本格的な着工をする以前に、本来、遵法かつ正確な指針を示し、第三者的な立場で的確な判断をすべき新宿区建築審査会は、裁定猶予を大きく上回る半年以上の審査リードタイムを無意味に消費しながら、たび重なる門前払いClick!により現実逃避Click!を行い、まったくピント外れな発言Click!を口にしたり、「安全にはまったく支障はない」と新宿区建築課の意向をそのままトレースしたような結論Click!を強引に導き出すなど、建築基準法とは無縁の不適切かつ違法な裁定を繰り返してきました。

  新宿区建築審査会は、高裁および最高裁の司法判断とは、まさに正反対の違法判断を重ねたわけで、その見識のなさ、適切な判断力と理解力の欠如、課題に対する分析力や論理性の欠落、そして、なによりも建築基準法に対する遵法姿勢のなさを露呈し、その無能ぶりとともに全国へ大恥をさらすことになってしまいました。本来、フェアであるべき新宿区建築審査会が、新宿区建築課の違法行為を追認する言質を繰り返し、それについてまったく責任を取らないという現状の組織は機能不全に陥っており、新宿区建築審査会の存在そのものが(少なくとも“たぬきの森”マターを審査し違法判断を下した当該メンバー全員の存在が)、全的に無意味といっても過言ではないでしょう。今後は、特に審査会メンバーの能力および質的な向上、少なくとも遵法姿勢のある、まともな構成メンバーによるチーム編成を行うなど、猛省すべき課題が山積していると思われます。

  最高裁判決により司法の最終判断が下りた現在、今度こそ新宿区および建設業者ともに、地元住民の声や世論に耳を傾け、地域環境を踏まえた誠実な対応をしてもらいたいと願うばかりです。

 

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