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業者が協定を無視して桜の大木を伐採

 

  たびたびこのサイトでもご紹介してきました、屋敷森の南側にあった桜の巨木の1本が、412日に無残にも伐採されてしました。「下落合みどりトラスト基金」や周辺住民のみなさんと業者との間には、樹木を伐採するときは必ず連絡をするという“協定”が結ばれていました。文書として協定書が交わされたわけではありませんが、都内はもちろん全国のみなさまが注目する屋敷森でもあり、誠意のある対応を業者へ申し入れ、特に樹木の伐採に関しては細心の約束が交わされていたはずでした。

  問題となっている桜の木は、南側の崖際に生える2本の大木で、崖地の1本は「擁壁に関連して伐採するか否かは検討中」との業者による説明がなされていました。また、崖上の1本は建物をほんの少しセットバックすれば残せる可能性がありました。業者からは、411日に桜の伐採が翌12日との一報が入りましたので、擁壁の問題もまったく解決しておらず、桜の伐採はこの問題が解決してからにするよう、「トラスト基金」は“協定”にもとづきすぐに申し入れました。

 

  しかし業者は、裁判結果によっては計画自体が設計図のみの“空論”になる可能性が残されているまま、またしても樹木伐採を強行。桜の大木のうち、1本が犠牲になってしまいました。近隣住民は、裁判結果も出ていない無駄な伐採に強く抗議し、擁壁建築にともなう敷地内への業者の立ち入りを拒否しているのが現状です。つまり、業者は一歩一歩積み上げていく堅実な計画遂行ではなく、周辺住民の声をいっさい無視して、すべて「都合のいい予想」や「見込み」によって工事を進め、森をむやみに伐採しつづけているわけです。

写真1

  いまだ、崖地に生えている桜のほうは残っていますが、こちらも枝打ちをされ無残な姿になってしまいました。業者は、「説明会要望」を無視して伐採を強行したことについては謝罪し、その旨をサイトで公開してもいいと容認していますが、その配慮のなさや無神経さに「トラスト基金」や周辺住民のみなさんの怒りは収まりません。

 

  問題の桜は、南側の敷地境界ギリギリに生えています。(写真1) 開発時には、露骨な営利主義のもとで自然を破壊しつくす業者は、販売時には臆面もなく「豊かな自然」をキャッチフレーズにします。へたをすると、その棲息地を根こそぎにしながら「たぬきも顔を見せる自然が残る」などと、厚顔な宣伝コピーを用意しないとも限りません。下落合の自然を愛する数多くの人々や、既存住民へほんの少し配慮する、わずか1mのセットバック(設計変更)がなぜできないのでしょうか。

写真2

  屋敷森周辺にはみどりが多く残り、グリーンベルトが形成されています。(写真2) 「トラスト基金」は、裁判結果によっては建築計画自体が白紙になる可能性がありますので、公園化によるグリーンベルトの緑地保存・再生をめざして、これまで通り活動を継続してまいります。ここに緑の公園ができれば、眺望も素晴らしく、都民・区民のみなさんのかけがえのない憩いの場になると思われます。そのときは、絶滅をまぬがれた下落合だぬきにも出遇えるかもしれません。

 

  今後の「トラスト基金」活動の詳細につきましては、また後日、改めてご報告いたします。これからも、「下落合みどりトラスト基金」へのご支援。ご協力をよろしくお願い申し上げます。

 

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