トップページ

「説明会」会場が騒然、業者が住民を脅迫。建築確認申請強行へ!

 

  124()に氷川神社・社務所集会室において、業者による住民説明会が行われました。下落合に住む数多くのみなさんが詰めかけ、会場は座る席が足りないほど混雑しました。「緑化計画書」の概略説明に始まり、質疑応答となりましたが、新宿区への譲渡有無の説明になると、業者の不誠実な態度に会場内のフラストレーションが徐々に高まっていきました。

説明会場となった氷川明神社

  説明会の冒頭に、業者より住民へ向け「お越しいただきありがとうございました」という挨拶がなされたにもかかわらず、質疑のさなか「住民は業者に呼ばれて来ているのでは?」との問いに、「(説明を)聞きたくないなら説明会は開きません!」などと、明らかに嫌がらせか挑発とも取れる言質を吐き、周辺住民にできるだけ建設への理解を求めるという、通常の建設業者としてはしごくあたりまえな誠実さや謙虚な態度は、みじんも感じられない応対でした。

 

  さらに、周辺住民が東京地裁で係争中の安全認定に関し、新宿区が敗訴した場合について質問がおよぶと、新日本建設側の代表はこともあろうに、「住民を提訴する考えがある」などと発言。これまで、「下落合みどりトラスト基金」および周辺住民と業者との話し合いは、建設反対運動ではなく、住民側は減額譲渡のお願いと認定に関する問題が中心で、建設の可否を前提とする“条件闘争”はほとんど行っていません。双方は安全認定や緑化計画書など、各種認定内容に関しては争わず、新宿区に問うこと(審査請求や提訴も含め)が、これまで何度も確認されてきました。それにもかかわらず、新日本建設の代表より住民に向けて「提訴」の発言があり、ここに集まった住民のみなさんの怒りが爆発しました。

 

  その後、住民への「提訴」発言は、「本当に新日本建設()という会社の方針か?」の問いに、代表は「個人的な見解で取り消す」と訂正。あまりに不用意かつ無責任な発言と、この脅迫とも取れる言質に、住民のみなさんの怒りは最後まで収まりませんでした。さらに、業者から散会の挨拶のあと、「建築確認申請はどうするのか?」との問いには、今週中に行うとの返答。(本日27日に申請するものとみられます) 説明を求める住民に対し、嫌がらせ的な挑発と感情的な言質を吐き散らし、屋敷森の集合住宅建設計画に関する、もっとも根幹的な課題や問題点の説明を省略して終わろうとする態度には、ただただ呆れるばかりです。

業者が新宿区の指導で作成した「緑化計画書」

 

■「説明会」の主な内容

 

(1)緑化計画書について

  「緑化計画書」の提出は、新宿区の条例で定められたもので、道に接する部分の緑化規定、全体面積における緑化の率、屋上における緑化率、既存樹木の保護などが主な内容です。緑化面積を増やすことは、建設計画の規模縮小か、避難路を含めた部分に植栽などをせざるを得ず、特例の安全認定が成立するか否かが注目されました。

  計画書図面Click!は、2004(平成16)12月に新宿区が認めた、安全認定の当初図面とは明らかに異なります。もっとも大きな疑問点は、安全空地を有効幅員2m(東は2.5m)以上設けることが必須と条例にうたわれ、避難路になるため通行の障害となる植栽は不可と明記されているにもかかわらず、植栽と建物によって空地に2m以下の部分が存在しています。

  さっそく新宿区建築課に問い合わせたところ、この安全空地は避難路ではなく、火災の延焼を防ぐもので、「東側の避難はバルコニーを使用するため空地は避難路としては使用しない」と、まるでわたしたちの新宿区ではなく、業者に電話をしているのではないかと錯覚するような説明が返ってきました。新宿区がみずから制定・明文化した、特例安全認定とはまったく違う説明内容にしばし愕然。いったいぜんたい新宿区は、区民の側ではなくどちらの方角を向いているのでしょう? いつから区民ではなく、業者の代弁者となってしまったのでしょうか?

  さらに、この「緑化計画」は樹木の移植や保存を含め、なんと新宿区の指導のもとで作成されたものであることが判明しました。つまり、建築課や道とみどりの課などの独断による縦割り行政の結果などではなく、新宿区としての“総意”であることがわかりました。みどりを保存しようとする姿勢は微かに感じられるものの、あらかじめ“建築ありき”で屋敷森全体の貴重性・希少性を考慮せず、みずから指導した特例安全認定とは異なる内容で再指導を行い、結果、安全性に支障が出る可能性が高くなってしまったことは、どう見ても不可解としか言いようがありません。

  123()に行われた、「下落合みどりトラスト基金」と中山新宿区長、建築課課長、道とみどりの課課長との面談時Click!には、業者と新宿区による事前協議の内容は、まったく触れられていませんでしたので、まさに寝耳に水の驚きでした。(意図的に触れなかったものと思われます) いずれにしましても、開発規模にほとんど変更も縮小もない建築計画が、すでに新宿区の主導で完了したとみて差し支えない状況です。

(2)譲渡額105,000万円について

  新宿区が用意している資金と、「下落合みどりトラスト基金」への寄付金額を合計すると7億7,000万円近くとなり、業者の屋敷森買い取り価格に近いか、あるいはそれを上回るものと考えられます。業者の表明では、買い取り価格は7億7,000万円以上とのことですが、7億7,000万円という数字は地価の現状からも常識的なものと考えられています。しかし、業者は集合住宅建設後の利益まで計上し、譲渡額は105,000万円とまったく譲る気配はありません。住民側は再三にわたって、この価格を決定した業者役員の出席を依頼しつづけていますが、残念ながら聞き入れる様子はまったく見られません。

 

(3)建築確認申請について

  今回の説明会では、具体的プランの話し合いはまったくなく、従来の説明会における質問事項の回答もないまま、一方的に今週中の建築確認申請を通告するのみの内容となりました。実に残念な結果です。建築確認の申請は民間団体ではなく、あたかも業者の代弁者のような対応をしている新宿区になる模様です。

 

Copyright © 2005-2006 Shimoochiai Midori Trust. All rights reserved.