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東京高裁の判決が1224()に迫る

 

 少し前にらせClick!しました通り、“たぬきの森”をめぐる東京高等裁判所の判決が1224()に予定されています。ご興味のある方、あるいはマスメディアの方はぜひ足をお運びください。以前に下された地裁判決Click!では、いまだ建築基準法違反や安全性などの核心には触れられず、「重層長屋」(実質はマンション)の建築は現在も進行中です。密室における前代未聞の官民癒着ともいうべき「特例認定」や、その後の「建築確認」の経緯について、東京高裁がどのような判決を出すのかが注目されます。

 

 今まで何度かご紹介していますが、同じ東京都安全条例を活用している渋谷区では、“たぬきの森”ケースの場合、認定を受けることが不可能Click!であり、「下落合みどりトラスト基金」が実施した自治体アンケート調査Click!でも、都内のほとんどの行政区において認可は無理という結果が出ています。また、防災の安全面から、消防署も異例の付帯する意見書Click!を提出しています。東京地裁の判決は、審査請求自体が期間を「徒過」(過ぎている)という、なげやりで非常識な「現実逃避」ともいうべき内容で、住民側の不信感は募るばかりです。

 もし、この「長屋」で失火や地震などによる火災が起き、消火・避難活動が遅れ、周辺にも延焼がおよんだ場合、いったい誰が責任を取るのでしょうか? 地裁のいい加減な請求期間の「徒過」判決では、とても済まされる問題ではありません。現在、不動産業界は底なしの不況に陥り、新宿区建築課から「特例認定」を無理やり取得した都市デザインシステムは倒産Click!し、現施工主の新日本建設もマンション事業から撤退して、来春に完成予定の「重層長屋」は販売の目途すら立っていません。

 

 目先のカネと愚かなエゴのため、いまや稀少となった都内の自然は破壊されつづけ、たぬきも棲みかを追われています。予定されている高裁判決で、「安全認定」と「建築確認」が取り消されれば、建設中の「重層長屋」は原状復帰、つまり取り壊すしかなくなります。新宿区では災害時の避難区画の確保を主目的に、おとめ山公園拡張計画に着手し、同時に、たぬきの森の買収予算も取り下げていません。下落合みどりトラスト基金は、みどりの保全と公園化の実現に向けて、これからも活動をつづけてまいります。

■東京高裁/判決予定

 ●日時1224()  1315

 ●場所:東京高等裁判所  809号法廷

        100-8920 東京都千代田区霞が関1-1-4

       TEL. 03-3581-5411(総務課)

 ●アクセス:東京メトロ「霞ヶ関」駅 出口A1から徒歩1

 

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