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“たぬきの森”を転売した不動産業者が倒産

 

  “たぬきの森”を当初に買収した、()都市デザインシステム(資本金2129875000円/代表・梶原文生氏ほか1名/従業員186名)が、去る829日に東京地裁へ民事再生法の適用を申請しました。負債総額は、関連会社の「タイガー観光」と合わせて264億円にものぼるといわれています。昨年からつづいている米国サブプライムローン問題に端を発した、金融機関による不動産業界向け融資条件の審査厳格化の流れから、「運転資金に支障」(同社)が生じ「支払い不能の恐れが生じた」(同)ことから、再生法適用の申請に踏み切ったとのことです。

 

  都市デザインシステムは、2004(平成16)の秋に下落合のたぬきの森を取得すると、新宿区建築課による「特例認定」を同年12月に取得。その直後に、現所有者であり開発者である新日本建設()へとすぐに転売しています。当時の新宿区建築課へは、同社から頻繁に申請や認可に関する圧力がかけられていたとみられ、建築課による不可解な違法「特例認定」に、同社が少なからず関与していた疑惑が濃厚に持たれていました。

 

  その後、たぬきの森に計画されている「重層長屋」販売などにも同社は名前を連ねていましたが、新日本建設との間でなんらかのトラブルが発生したのか、たぬきの森からは手を引くこととなったようです。経常利益面だけを見れば、同社は一見順調に業績を伸ばしているようでしたが、ここへきて急速に資金繰りの悪化が進み、会社再生法の適用を申請したものと思われます。

 

  たぬきの森をめぐる、一連の脱法行為や反社会的な開発手法など、周囲の状況をいっさい顧りみず利潤のみを追求し、あと先を考えない無謀な開発(破壊)をつづける不動産業界の本質的な問題そのものが、ここへきて象徴的に露呈した形となりました。 2008(平成20)8月末現在、「下落合みどりトラスト基金」に集った中山新宿区長あての署名数Click!は、先月と同数で変わりません。たぬきの森を末永く保存するために、引きつづき「下落合みどりトラスト基金」では、みなさまの署名をお待ちしております。

下落合の公園で、猫と共存する子だぬき。

 

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