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周辺住民の新宿区あて公開質問状4を入手

 

  昨年の9月、周辺住民のみなさんが新宿区建築審査会に対して再び審査請求を行ってから、すでに半年間が経過しようとしています。(3ヶ月以上の場合は、提訴が可能となるようです) 初回の審査請求のとき“門前払い”をした建築審査会が、地裁の実質敗訴Click!を判断を受け、今回はどのような判断を下すかが注目されます。

  しかし、前回の口頭審査を見る限り、判決も含めたこれまでの経緯を踏まえているとは到底思えない審査会の審査進行Click!に、周辺住民のみなさんばかりでなく、新宿区の当該部局や建設業者も半ば呆れているのではないかと思われます。

 

  このような状況の中、316()付けで周辺住民のみなさんが新宿区へ送付した、「公開質問状/その4」を入手しました。ちなみに周辺住民の中には、わたしたち「下落合みどりトラスト基金」のメンバーも含まれています。

  地裁の判決文の表現を借用しますと、「火災や豪雨による土砂崩れ、災害などの有事の際の住民の生命や財産に直結する問題」について、周辺住民のみなさんの不安や、誠実な対応をしようとしない新宿区に対する苛立ちが感じられる文面となっています。この質問状に対し、新宿区からの回答が寄せられましたら、改めてこちらでご報告します。

 

 

公開質問状/その4

 

問1.新宿区行政手続条例を無視した違法な認定処分

新宿区手続条例は、処分に関する手続に関し共通する事項を定めることによって、行政運営における公正の確保と透明性(行政上の意思決定について、その内容及びその過程が区民に明らかになること)の向上を図ることを目的としています。

同条例5条は、次の通り規定しています。

    5条(審査基準)

      1 行政庁は、申請により求められた許認可等をするかどうかをその条例等の定めに従って判断するために必要とされる基準(審査基準)を定めるものとする。

2 行政庁は、審査基準を定めるに当たっては、当該許認可等の性質に照らしてできる限り具体的なものとしなければならない。

3 行政庁は、条例等により当該申請の提出先とされている機関の事務所における備付けその他の適当な方法により、審査基準を公にしておかなければならない。

東京都建築安全条例43項の安全認定処分は、安全条例に基づく処分ですから、当然に新宿区行政手続条例が適用されます。ところが、処分庁は、「本件認定処分及び建築確認処分は、建築基準関係法令に適合するか否かを審査するものである」として、新宿区行政手続条例5条の適用がない(審査基準を定める必要がない)と主張しています。この主張は、同条例が行政庁の処分等に関する手続に関し共通する事項を定めることによって、行政運営における公正の確保と透明性の向上を図るものであることを全く無視したものです。このような違法な主張をしているのは、どのような根拠によるのでしょうか。

私どもは、決して独断で主張しているのではありません。総務庁行政管理局編「逐条解説行政手続法」、行政法学者の文献、各種判例などを十分に参照しつつ、この質問を行っているのです。行政手続条例を所管している総務部総務課の見解も併せてお伺いしたいと存じます。

また、同条例に違反して処分が行われた場合、当該処分は原則として違法となるというのが通説です。特に、審査基準を設定しない(審査基準の不設定)でなした処分は、独立した取消原因となり、取り消されるべきである(高橋滋「行政手続法」参照)とされています。本件処分は、もとより、審査基準を設定しないでなした処分であり、取り消されなければならないのではないのでしょうか。

さらに、隣接の渋谷区、中野区、豊島区等の各区は、安全条例43項の安全認定処分に関し、行政手続条例に従い、審査基準を定め、公表し、それに基づいて安全認定をしています。新宿区のみがこれにほお被りして、審査基準を定めないのでもよいとしているのは、どうしてなのでしょうか。

 

問2.長屋と判定したことの脱法性

宿区は、本件建物は長屋であるとして、安全認定処分を行い、これを前提に建築確認処分を行っています。4階建(地上3階、地下1階、なお屋上にペントハウス)、約30戸、2,800uの集合住宅 (しかも、その形状は複雑なコの字型)を長屋と解釈しているのです。本件建物は、各戸が完全分離型で、共有部分を有しないから長屋だと、単純な形式論を根拠としています。

私どもは新宿区の主張する長屋の定義は十分承知しているのですが、ただ、2戸以上といっても、30戸以上の建築物までも想定しているのでしょうか。50戸でも、100戸でもよいのでしょうか。出口さえ別であれば、5階建てでも、10階建てでもよいのでしょうか。その形状がいかに複雑なものであってもよいのでしょうか。やはり、そこには、防火安全性の観点からして自ら常識的な限界があるのではないでしょうか。

建築基準法は、こんな規模形状の長屋が建つとは想定していません。完全な脱法行為ではないのでしょうか

建設省住宅局監修「詳解建築基準法」を見ても明らかなように、建築基準法が共同住宅を規制する趣旨は、多数の就寝の用に供する部分が集合している場合における火災危険性の排除(特に避難安全性の確保)を担保しようとしているものです。共同住宅も、本件の如き長屋と強弁する建築物も、法の規制の趣旨から見て何の変わりもなく、従って、文理上の形式論によるべきでなく、法の趣旨、目的から共同住宅と解釈すべきではないでしょうか。

実際にかかる大規模な建物が長屋として新宿区内で建築された事例は、存在しません。申請人がかかる事例があれば示すよう何度も求めても、新宿区からは何の回答もなされていないのです。

東京都都市整備局の担当部局に問合せてみても、建築統計からは明らかにならないので断言はできないといいつつも、本件のような規模形状の建築物が長屋として建築された事例は聞いたことがないといいます。

従って、もしこれが長屋と認められれば、建築行政上初めてのこととなるのです。しかも、袋の鼠となるような敷地に建築するのです。驚くべき安全性無視の行政を新宿区は他区市町村にさきがけて行おうとしているのです。果して、新宿区長は、この点につき十分に認識なさっているのでしょうか。具体的かつ詳細に説明責任を果していただきたく存じますが、いかがでしょうか。

 

問3.安全認定の違法(条例4条1項規定と同等以上の安全性の欠除)

東京地裁判決は、「本件条例4条は、一定の規模を超える建築物について、平常時における通行を確保するためだけでなく、火災等の災害が発生した場合における避難、消火及び救助活動を迅速かつ適切に行うためであると解するのが相当である」とし、そして、「同条3項が知事の認定に当たり「建築物の周囲の空地の状況その他土地及び周囲の状況」を勘案すべきものとしているのは、当該建築物が火災等により炎上するなどの事態が生じた場合に、これを隣接する建築物等やその居住者等に重大な被害が及ぶことのないようにするためであると解するのが相当である」と判示しています。

そして、「改訂30版 東京都建築安全条例とその解説(社団法人東京建築士会発行)」によりますと、「建築物の周囲の空地の状況」とは、「建築物の敷地内において広い空地を設けた状況などをいう」と記載されています。しかし、本件建物の東側は2.5m、南側及び西側は2mの空地があるにすぎません。これで、どうして広い空地があるといえるのでしょうか。しかも、前面道路は行き止りの袋路地状道路で、幅員2.794mしかなく、新宿区の防災マップでは部分的に消防車進入不可能とされているのです。

ちなみに、渋谷区行政手続条例5条の審査基準は、「2,0003,000uの建物の場合、m以上の空地による道路に有効に接続した建築物で、その幅員以上の空地を建築物の全周囲に設け、それらの空地が通行上、防火上、避難上有効である場合とする。」としています。新宿区は、審査基準も定めず、どうしてこんな狭い空地で安全認定をだしたのでしょうか。

詳しく説明しますと、本件敷地の場合、条例4条1項は、35mもの接道部分についてずーっと8mの幅員を法的に要求しているのです。この点は、新宿区も同様に解釈しています。ところが、本件敷地の場合、実際は35mもの接道部分が大部分有効4mしかないので、新宿区長は41項を適用することができず、43項の安全認定を行ったものです(口頭審理で、前面道路に接した部分のみが8mあれば41項を適用できないのかと、むしかえす指摘もありましたが、この点に関する正しい解釈は申請人も処分庁も相互に、既に決着済みのことなのです)。

その例外として4条3項により安全認定を行う場合には、接道部分の幅員が8mずっとある場合と同等以上の安全性の確保(消防隊の接近の容易性、避難の安全性、救助の確実性など)が必要になるのです。

この状況に係る問題点をより具体的に説明すれば、次のとおりであり、これは、長年消防活動に携わった専門家の意見でもあります。

@ 接道部分の幅員を8m確保した場合は、消防隊の活動に必要な幅員を4m確保しても、なお住民避難用通路として幅員4mを確保できる。これにより、住民避難と同時に消防車両を建物に接近させて迅速な消防活動の着手が可能となる。また、8mの幅員は、救急車両とすれ違うのに十分な幅員である。

A これに対し、本件敷地内建物に火災が発生した場合の避難路は、前面道路に通ずる接道部分(狭いところは4m)に頼らざるをえない。少なくとも30戸(100名を超えるであろう)の居住者が迅速かつ安全に避難することは不可能である。加えて、火災時には消防車の車両が多数到着し、消火、救助、救急活動にあたることになり、これらの消防の活動と居住者の避難行動が交錯し、大きな混乱を生ずれば、消火及び避難の両方の目標を達成できない悲惨な事態となる。

ところが、新宿区は、@本件建築物は、耐火建築物であり、その用途は長屋である、A本件建築物と各隣地境界線との間には幅員2メートルから約4メートルの避難の為の空地が設けられているなど、あまり脈絡のない8項目の理由をあげて、安全上支障がないと判断したと強弁しています。

申請人は、具体的かつ証拠を付して、8項目では同等以上の安全性が確保できないと主張しているのですから、安全認定を行った新宿区も、同じ程度に詳細に、具体的に、かつ証拠を付して、説明責任を果たしていただけないでしょうか。

 

問4.消防署長の意見を根拠とすることの誤り

新宿区は、「建築確認処分に当り、消防署長の意見を踏えて、安全に配慮した」と主張しています。しかし、消防署長の意見は、「建築物と敷地の関係」について「消防活動困難地域」や「路地状敷地の狭さ」を指摘し、これまで例のない意見を述べたものです。そして、避難器具、防火戸、連結送水管の設置は、建築物そのものの設備について新宿区が一定の指導をしたに過ぎないものですから、建築確認に当り、消防署長の意見を踏えたものということはできません。論理のすり換えです。

新宿区は「消防署の指導により、連結送水管の設置等をもって、この地域の安全性が確保されている」と主張したいようですが、消防署はそのような指導をしておらず(指導したというなら新宿消防署にもう一度問い合わせて下さい)、しかも、そのことにより実際に火災時の避難の安全性が確保されるということはありません。従って、これを根拠に「安全上支障がない」とはいえないのではないでしょうか。

新宿区は、「消防署長の意見は、建築確認処分の際の消防署長同意の条件ではない。このことは、消防署長に確認している。」としています。いかにも、消防署長から条件がつかなかったから、「安全上支障なし」と認めたといいたいようですが、消防署長は、建築物と敷地の関係について審査する権限がありませんから、消防同意に当たっての条件とならないのは当然なのです。むしろ、東京消防庁新宿消防署が消防同意に当りこれまで全く例のない特別の意見を付したところに、本件処分の危険性が浮彫りになったと考えるべきではないでしょうか。

 平成189月定例会(3)(920)において、小野きみ子議員が本件建築計画の問題を質問したのに対し、平山都市計画部長は、「消防署の指導により、建物外周部に連結送水管を設けており、ご指摘の地域の安全性は十分確保されていると考えております」と答弁しています。しかしながら、すでに述べたように、消防署が連結送水管の指導をしたことはなく、その設置により避難がしやすくなり、地域の安全性が高まるわけでもありません。平山都市計画部長が事実に反することを議会で答弁するということは、どういうことなのでしょうか。議会軽視も甚だしいといわざるを得ません。

 

問5.三棟の建築物を一棟の建築物として建築確認したことの違法性

本件建築物が敷地に用途可分の三棟、東棟、西棟、南棟の独立した三棟の建築計画であることは、一目明らかです。そして、用途可分の建築物をエキスパンションジョイントで接続させても、一つの建築物ということはできず、違法であるとした東京都建築審査会裁決及び東京地裁判決は、次の通りです。

「エキスパンションジョイント」は構造体を物理的に分離しておく方法によって、力学上応力を伝えないことにより、構造体が相互に影響を及ぼさないことを意図する接続方法であり、これによって接続部分間に応力を伝えるものではないから、むしろ構造的には分離されているに等しい状態なのであって、したがって、それだけでは、機能上、構造上及び概観上の一体性がある「一の建築物」ということはできない。

新宿区は、「本件建築計画はエキスパンジョンジョイントを設けたものである。本件建築物は一つの建築物であることは容易に判断できる」などと特段の理由も示さずに安易に結論だけを主張していますが、どうして、その審査基準を設けることもなく、東京都建築審査会裁決・東京地裁判決に違反する主張をするのでしょうか。

 

問6.本件確認済証の違法交付

建築基準法64項は、「申請に係る建築物の計画が建築基準関係規定に適合することを確認したときは、当該申請者に確認済証を交付しなければならない(確認できなかったときは確認済証を交付してはならない)」と規定しています。

安全条例62項但書(2)の「がけ又は既設の擁壁に構造耐力上支障がないとき」という規定は、建築基準法64項規定の建築基準関係規定です。従って、建築主事は、安全条例62項但書について法適合性を判断する審査基準(数値を定めたもの)を定め、南面既存擁壁の構造耐力上の安全性について確認調査を行い、その調査結果に基づき、その法適合性を確認したときにはじめて、法64項規定の確認済証を交付できるものです。確認できなかったときは、確認済証を交付してはならないのです。

そして、新日本建設等は、「新宿区の指導に基づき南面既存擁壁の確認調査」を平成18731日付確認済証交付から6ヶ月後の平成19122日から31日に、関係付近住民に対し、「何卒ご理解ご協力を賜りますようお願い申し上げます」との文書を通知し、現にその期間内に調査を実施したようです。

金子建築主事は、平成1828日の時点で、既に安全条例62項但書(南面既存擁壁の構造耐力上の安全性)の法適合性について疑義があると、建築主に通知していました。また、平成18731日付の確認済証交付に際し、確認図面番号25に「確認申請後、着工前に試掘調査を行い既存底版をはじめとする既存擁壁の状態を確認する。調査結果に基づき、鋼製山留めの位置及び必要性について検討し、安全性を確保する。また建築主事との協議を行う。※試掘箇所は3箇所とする」と記載がされています。

以上の事実に従えば、建築主は、本件南面既存擁壁の構造耐力上の安全性について確認調査をしないで、本件建築確認申請をしたことは明らかであり、2項但書(2)の法適合性を確認しないで、本件建築確認済証を交付したことは、明らかです。

すなわち、本件建築確認済証の交付は、法64項規定の建築基準関係規定の法適合性を確認しないでした、確認済証の交付です。国土交通省の専門家も、このような条件付の建築確認というのは聞いたことがないと言っていますが、他に例があるのでしょうか。

要するに、本件建築確認済証の交付は明らかに法64項に違反する違法交付です。すみやかに取り消されなければならないのではないのでしょうか。

 

問7.建築確認にあたりさらに危険側に変更することを認めたことの違法性

新宿区は、本件安全認定処分に当り、隣地との間に有効幅員22.5mの避難経路(通行の障害となる建築物、工作物は設けません。既存の植栽、樹木についても通行の障害なる場合には伐採、移植することとします)を設けることを条件としました。しかし、22.5mの避難空地では、「安全上支障がない」とはいえないことは、問3において詳しく述べた通りです。現に渋谷区の審査基準では、幅員3mの空地を最低条件としているのです。

そして、申請人が植栽や傾斜地等により新宿区が安全認定の条件とした幅員22.5mの避難空地も満足していないのではないかと指摘したところ、驚くべきことに、「安全空地内には、避難・通行上支障とならない幅1.5mの通路が確保されている」と自らの認定条件を満していないことを認め、それでも安全上支障がないといっているのです。

かかる新宿区の主張は、安全認定の際の条件を建築確認の際にさらに危険側に変更することを認めるものであり、違法のうえに違法を重ねるもので、断じて認めることはできません。安全上支障がないというなら、証拠を示してよくわかるように説明していただけないでしょうか。

幅員が1.5m以上の通路という要件は、一定の建築物に原則的に適用されるものであり、本件敷地についていえば、かりに接道状況が建築安全条例41項に適合し、接  道幅がずーっと8mあったとしても法律的に要求される通路幅なのです。安全条例4条3項の特例を適用するに当り、条例4条1項の原則を満足した場合の条件と同じでよいとすることは、原則と特例をいっしょくたにした暴論であり、明らかに法の解釈誤りではないのでしょうか。

やはり、条例4条3項の特例を適用するためには、例えば渋谷区の審査基準のように、安全のための措置を上乗せして、「敷地内において広い空地を設けた状況」を作り出すべきではないのでしょうか。それとも、新宿区と渋谷区では都市の密集度が異なり、火災危険度も異なるとでも言うのでしょうか。

 

問8.行政運営における透明性の侵害

処分庁は、本件処分(安全認定、建築確認)の意思決定について、その内容及び過程を明らかにする情報を隠し、行政運営における透明性を著しく損ねています。

そもそも本件争いの発端となった安全条例第4条3項の安全認定の際も、新宿区議会で全会一致で陳情書が採択されたのを受け、地域住民が平成161222日午後3時に中山弘子新宿区長に対し陳情書を提出することを知り、建築課は、予定を2日間繰り上げて、突然同日午前9時に認定処分を行ってしまいました(しかも、建築課の担当者は、この間の経緯について、住民から問い合わせがなかったという理由で、住民に何も知らせていないのです)。このことに関し、新宿区長が区議会で遺憾の意を表したことは周知のことです。

また、新宿区行政情報公開条例に基づく近隣住民の開示要求に対しても、新宿区は「犯罪予防のため」等を理由として、認定及び建築確認に関する全情報783枚中実に751枚(95.9%)を非公開処分としました。情報の公開がいかなる犯罪をおこさせるのか、御教示願いたいと存じます。そして、近隣住民が止むを得ず東京地方裁判所に平成18年11月14日付で非公開処分の取り消しの訴えをしたところ、新宿区当局は、平成19年1月17日付で一転して751枚全部を公開すると変更決定をしました。どうしてこのように豹変し、区民に対しいたずらに費用と時間をかけさせ、苦しませるのでしょうか。

また、金子建築主事は、平成18年2月8日付けで本件建築申請について6事項その他事項について疑義があると通知しました。申請人は、その内容を示すよう要求しましたが、処分庁は疑義ある事項については、修正又は図書の差替えなどにより建築関係法規に適合していることを確認したというのみで、修正又は差替え前の書類は新宿区に存在しないとし、これら疑義の内容を説明しようとせず、証拠を提出することもしません。区市町村長の交際費まで公開するこのご時勢に、行政の意思決定過程を明らかにしないとは、何故でしょうか。

さらに、問1で述べましたように、新宿区は新宿区行政手続条例という新宿区議会が定めた行政の透明性を確保するための行政処分の共通法規を全く無視しています。同条例が要求する審査基準を定めないのはどうしてでしょうか。

以上、いくつもの事例を申し述べましたが、これらから明らかなように、新宿区建築当局は、一貫して、必要なことを区民に知らしめず、行政運営における透明性を著しく侵害しています。他の区市町村にはみられない新宿区のこのような行政運営は、本件処分の法適合性を強く疑わせるものだと考えざるを得ませんが、どうでしょうか。

 

 

 

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