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総務区民委員会における新宿区の上告報告

 

 128()に開かれました、新宿区議会の総務区民委員会Click!を傍聴してきました。この委員会では、114日に新宿区が高裁で敗訴Click!し同27日に最高裁へ上告Click!した、一連の経緯の報告がなされました。そして、区の報告に対し質問に立った区議会議員との間で、さまざまなやり取りが行われました。そこに見えるのは、建築課が誤って出してしまった「特例」認定と「建築確認」について、これまでになく苦渋をつづける新宿区の姿です。以下、要約してお伝えいたしますが、やり取りの文責は「下落合みどりトラスト基金」にあります。

議員

今まで、区が高裁で敗訴したことはあるか?

新宿区

最近の記録にはない。

議員

なぜ最高裁へ上告したのか?

新宿区

理由書は50日以内に最高裁へ提出するが、安全認定処分の違法性と、建築確認が違法であるとの判断理由に認定処分の違法性を挙げていることの2点について、最高裁の判断を仰ぐためである。

議員

高裁の判決は明快であり、これに対して区は最高裁で勝つ見込みはあるのか?

新宿区

軽々しくは申し上げられない。あくまで前述した2点について判例がないので、最高裁の判断を仰ぐものである。(多少しどろもどろの答弁となる)

議員

工事の執行停止申し立ては行われたのか?

新宿区

126日付で、住民側から裁判所に申し立てが行われた。

 新宿区は、議員が質問する最高裁での裁判の展望についてはいっさい触れず、「軽々しくは申し上げられない」の一点張りで、曖昧な答えに終始していました。答弁に立った担当職員は、非常に答えにくく苦しそうな表情をしており、新宿区が最高裁での展望が拓けないまま、ほとんど形式的に上告をした様子が、その表情から直接的に傍聴席へ伝わってきました。

 

 約2時間にわたり、区議会議員から多彩な質問や意見が出ましたが、党派ごとに微妙なニュアンスの違いはあるものの、おしなべて区議会側は高裁判決を受け入れてくれている様子でした。裏返せば、あえて「この判決はおかしくて納得できない」と指摘し言明することができないほど、高裁判決は誰にでも明快でわかりやすい判決だったということになります。

 

 ある議員は、わかりやすい高裁判決の要旨をさらに明快に整理し、「区が上告するからには、確固たる自信と明確な理由があるのだろうから、それを明示してほしい」ときびしく迫り、区側を当惑させるという一幕もありました。そして、出席者の多くの方々が、最高裁における新宿区の敗訴をある程度予感し、“たぬきの森”をめぐる今後の対応が金銭面も含め、非常に大変であるという雰囲気に包まれていました。

 

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