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新宿区の「地震ハザードマップ」で危険箇所に改めて指定

 

 今年(2008)3月に、新宿区の都市計画部建築指導課が作成した「新宿区地震ハザードマップ」で、たぬきの森のある下落合4丁目は「危険度3」と認定され、しかも重層長屋が建設される予定になっているたぬきの森自体が、特に「急傾斜地崩壊危険箇所」として“網がけ”がなされ、重度の危険箇所として指定されていることが判明しました。

 先にご紹介しました判決レポートClick!でも詳述していますが、この崖は安全性の調査で「安全」が確認されたので「建築確認」を出した(実際には安全性の調査途中にもかかわらず、新宿区建築課が錯誤して建築確認を出してしまった)・・・ということになっています。もう一度、新宿区の各部署の見解や認識を整理してみましょう。

建築課

たぬきの森へ計画中の重層長屋(2,800m2)を建てるのは、法的(特例認定)にも、また安全性の調査や消防署の意見でもまったく問題がなく、安全なので「建築確認」は当然である。

建築指導課

たぬきの森南側の崖地は非常に危険であり、「急傾斜地崩壊危険箇所」として“網がけ”指定する。大きな人的・物的被害を及ぼす可能性がある。

公園課

たぬきの森の敷地は特殊な「旗竿地」であり、1,000m2未満の建物しか建たない土地なので、公園化を想定して買い取りに用意できる予算は土地評価額からみても54,000万円が妥当である。

新宿消防署

「当該建設予定地へ消防自動車が向かう道路は一本道で、道路幅の最低は3.3mしかなく、消防困難な地域と言わざるを得ません」(意見書)

 ご覧のように、たぬきの森の敷地について、行政側でも各部署ごとに認識が大きく異なることがわかります。そして、この敷地を「安全」だとしているのは、いまのところ安全性の調査中にもかかわらず誤って「建築確認」を出してしまった、建築課のみであることもわかります。

 

 周辺住民のみなさんは、訴訟相手に組織としての「新宿区」を対象にしていますが、もっとはっきりいえば「新宿区建築課」を相手に訴訟を起こされたいのではないかと想像します。それほど、新宿区建築課の判断は、法的にも常識的な観点から見ても異常であり、新宿区の中でも“孤立”しているのが見てとれます。

 

 新宿区が一枚岩でないことは、これらの事実からみても明らかですが、いまだ法律を無視せず正常で常識的な判断のできる、そして住民側の視点を持つ部署が多く存在していそうなことは、皮肉にも行政が正常に機能していることの“証し”といえるでしょう。それだけに、新宿区建築課による過去の言動の異常さが、ことさら際立って見えてくるのです。

 

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