トップページ

鮮やかに色づき始めた晩秋のグリーンベルト

 

 今年も、旧屋敷森に紅葉の季節がめぐってきました。カエデが見事に色づき(@)、鮮やかに視界へ飛びこんできます。きょうは、「下落合みどりトラスト基金」が保存活動を行っている“たぬきの森”(旧・屋敷森)をはじめ、下落合に残る貴重なグーリーンベルトの“秋編”をおとどけします。

@

 2006(平成18)56日掲載の春編Click!と比較しますと、下落合地区には武蔵野原生林ならではの落葉樹が多いことがわかります。空中写真(A)をみてみますと、「おとめ山公園」から「薬王院」にかけ目白崖線に展開する南斜面には、いまだグリーンベルトがはっきりと形成されています。戦前の1936(昭和11)の空中写真(B)、戦後1947(昭和22)の写真(C)、そして1974(昭和49)の写真(D)と比較しますと、みどりは時代とともに減りつづけているものの、この崖線一帯にはまだ多くの自然が残されているのが見てとれます。

A

B

C

D

 “たぬきの森”から周囲を見渡しますと、「重層長屋」の建設計画で崩落が懸念されている南側の崖地から、野鳥の森公園にかけては、カエデ、桜、ケヤキ、竹、シイノキなどが赤、黄色、緑など鮮やかな色彩で、都心とは思えない自然のハーモニーを奏でています。(EFG) また、西側の薬王院方面には、針葉樹などが混じる常緑樹がやや多く見られます。(H)

E F

G H

 それに対して、南面のJR高田馬場駅から新宿都心部にかけては、緑がほとんど見あたりません。(I) また、北側には無理やり移植された無惨な姿の大楠とケヤキ、そして隣りの敷地へと屋敷林がつづいています。(J) 北東の池袋方面、そして落合中学校・落合第四小学校あたりにも、イチョウやケヤキなどの樹木が数多く見られます。(K) さらに、東側の御留山方面にはケヤキ、クヌギ、コナラなど、武蔵野の面影が色濃い黄葉が目立ちます。

I J

K

 こうして見てきますと、“たぬきの森”以外にも、次世代へと守り伝えたい貴重なみどりが、そこかしこに残っているのがわかります。再選後の中山弘子新宿区長は、幸い「おとめ山公園」周辺の財務省官舎(旧・大蔵省官舎)の跡地購入を検討しており、その防災公園化=おとめ山公園の拡張が計画されているようです。

 新宿区に残る稀少な自然を、これ以上「地域再開発」という名の破壊(町壊し)から守り、下落合のグリーンベルトが永久に存続するよう、わたしたちは願ってやみません。

 

Copyright © 2005-2006 Shimoochiai Midori Trust. All rights reserved.