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3回落合の緑を守る勉強会

 

1117日の第2回「落合のみどりを守る勉強会」Click!に引きつづき、第3回の会合が1211()の午後1時から行われました。今回は、会議室から実際の町中へと出かけ、下落合に残る森・樹木などのみどりや、歴史的・文化的に保存が望まれている貴重な建築物、開発が予定されているあるいは開発がすでに始っている区画を、実際に見てまわりながら下落合の現状を把握しよう・・・という趣旨で実施されたものです。

 あいにく曇りがちの天候で、気温が上がらず寒かったのにもかかわらず、午後1時の目白駅前には、地元選出の超党派による区議会議員のみなさんをはじめ、下落合のみどりや文化財に興味を持たれる数多くの方々が集合しました。コース最後の中村彝のアトリエ前で解散するまでに、のべ約40名もの方々が、下落合の現状を改めて見てまわりました。

 

左は豊坂稲荷前の坂をのぼって、右は下落合(近衛町)へ。

 下落合「町歩きコース」は、実際に歩き始めますと貴重な森や樹木、文化財的な建築物や記念物などを、ひとつひとつじっくり鑑賞しながら見て歩くことになりましたので、曇り空で夕暮れも早く、野鳥の森・薬王院の森界隈と中村彝アトリエから以降のコースを、予定から省略せざるをえなくなりました。言い換えますと、それほど下落合には自然のみどりや樹木、歴史的な建造物・記念物がいまだ数多く残っている・・・ということにもなります。

 

左は旧・近衛秀麿邸あたり、右はF邸あたりに残る濃いみどり。

 また、今回の「落合のみどりを守る勉強会」による見学会は、どなたでも参加が自由という趣旨でしたので、地元の落合地区ばかりでなく、隣接する目白地区はもちろん、さらに遠方から参加された方々も目立ちました。目白通りをはさんで北と南、あるいは豊島区と新宿区の行政区画などに関係なく、目白・下落合は「ひとつの地域だ」と意識されている方々が、数多くいらっしゃいました。

 

左は旧・安井曾太郎邸、右は屋敷森近くのたぬきが食べ残した柿の皮。

 

左は旧・近衛文麿邸あたり、右は民間への払い下げが決定している財務省官舎の坂下にて。

 

左はおとめ山公園入り口、右は明治期に建てられた屋敷森に隣接するK邸。

 「下落合みどりトラスト基金」の運動自体もそうですが、いまや都内でも貴重な自然や環境を守る、あるいは文化財や景観を保つうえで、こういう行政区画や町割りの限界を超えた、ボーダーレスによる地域の“共有感覚”というのは、とても大切なことではないかと思いました。ひとつの町内では支えきれない大きなテーマや課題の場合、その周辺にお住まいの方々はもちろん、その地域を愛する都内をはじめ全国各地の方々のご協力・ご支援が、より新しい大きな“力”を創りあげていくのではないかと強く感じた1日でした。

 

左は行き合わせた目白教会での結婚式、右は同教会の旧・宣教師館(メーヤー館)

 途中、旧・メーヤー館(目白聖書学校)前では、たまたま結婚式を挙げられていたカップルと行き合わせ、お祝いに「参加」するなど、手がかじかむほどの寒さにもかかわらず、下落合を愛する参加者のみなさんの暖かい気持ちや熱心さが伝わる、とても楽しい意義のある催しとなりました。

 

左は旧・林泉園界隈の屋敷森と、右は濃いみどりに囲まれた中村彝アトリエ。

 見学会は、予定の時間をかなりオーバーし、薄暗くなりかけた午後4時をまわったころ、中村彝アトリエの前で散会となりました。そのあとも、目白と下落合の住民の方々は、コーヒーを飲みながら地域のテーマについて熱心に語りつづけました。最終的に散会となったのは、周囲がすでに真っ暗になったころ、時計の針は午後6時近くを指していました。

 

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