中野の審査会資料と下落合ケースを比較 先にご報告しました、中野区3丁目のマンション問題に関連した、「建築確認」取り消しClick!に関わる審査会資料を入手いたしました。下落合の計画ケースと比較し、その類似点や相違点をレポートいたします。以下、双方の計画を比較した一覧表をご覧ください。
一覧表に示しました通り、まず双方には、「共同住宅」と「重層長屋」とうい違いがあります。建設物の敷地と道路の関係を決めた、「東京都安全条例第4条」に照らしますと、中野のマンションは前面道路の幅が6m必要(同2項)なのに対し、下落合の重層長屋は道に接する長さが8m以上必要(同1項)となり、前面すべてが道路である必要はありません。また、中野区はすでに建築の許可である「建築確認」処分が出されていますが、下落合のケースは都安全条例第4条3項の適用にとどまっている点です。 しかし、中野区建築審査会の「建築確認」取り消しの裁決理由と、新宿区建築審査会への審査請求、および東京地裁への訴状の内容が実は酷似しています。すなわち、表中のDEの周囲の道路状況において、安全な避難と消火活動が円滑に行われるとは到底考えられないという解釈は、中野のケースとほとんど同一と考えてよいでしょう。下落合のケースは規模も小さく、前面道路での規定ではないものの、より厳しい第1種低層住宅専用地域です。一方向避難や行き止まりの前面道路、道幅の狭さからは中野のケースより、さらに安全性の確保が非常に困難だと思われます。 また、下落合のケースは、マンション様式の重層長家を想定していない時代の法律を用いた建築であるため、「長屋」ではあるものの実質的にはマンションとまったく変わりません。純粋に法律的には違法ではないものの、実質的には脱法との意見も多くみられます。中野と下落合の両ケースとも額面上は建築できませんが、区の緩和措置で認定されており、その解釈の違いが住民との論点となっています。みなさまは、どのように受け止められるでしょうか? さらに、下落合のケースでは、新宿区「みどりの条例」で定めた既存樹木の保護と、緑化率も問題となっています。区では、できる限り既存樹木を保護するよう決められていますが、現行の計画では保存は北側のケヤキのみで、ほとんどの貴重な樹木は伐採されることになります。また、駐車場や駐輪場、ゴミ置き場などの問題もあります。これらを設置すれば、地上部の緑化[敷地面積×(1-法定建ぺい率)×0.2]をまったくクリアできない計画ですが、新宿区の建築審査会では「関連なし」とのことで却下されています。 現在、周辺住民のみなさんは、都安全条例第4条3項認定処分(主体は新宿区)と、審査請求を却下した新宿区建築審査会の両者を提訴しています。本来、この訴訟には第三者であるべき「下落合みどりトラスト基金」が、上記の裁判のゆくえにことさら注目しますのは、民間の指定確認検査機関から「建築確認」が出され屋敷森の樹木のほとんどが伐採されたあとで、周辺住民のみなさんが東京地裁からメ勝訴モを勝ち取っても、まったく意味がないと考えるからです。この点、周辺住民のみなさんも、あえて建築確認の以前に提訴したようです。「トラスト基金」では、できるだけ同裁判を側面から応援しつつ、
指定確認検査機関が安易に「建築確認」を行わないよう指導してもらうように、今後とも新宿区へ働きかけClick!ていく予定です 屋敷森が伐採されてしまえば、現在のたぬきの棲む環境や生態系は崩壊してしまい、全国のみなさまからせっかくお寄せいただきました基金や署名は、まったく意味をなさなくなります。業者との間では、「屋敷森の突然の伐採はしない」との約束が一応は取り交わされています。ここはぜひとも、屋敷森が伐採される前の判決、または業者から新宿区への屋敷森の減額譲渡が強く望まれるゆえんです。 |
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