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石川幹子様と大崎清見様をお迎えして

 

312()、米国から急遽駆けつけてくださいました慶應大学環境情報学部教授であり、新宿区都市計画審議会委員でもいらっしゃいます石川幹子様と、東京環境工科専門学校専任講師であり、NPO法人東京セントラルパーク代表監事・府中かんきょう市民の会理事長でいらっしゃいます大崎清見様による、E邸の調査が行われました。

 

下落合駅よりお迎えし、E邸へ向かう途中で瑠璃山山麓の「下落合横穴古墳群」、薬王院、野鳥の森公園などをご案内し、下落合南斜面(目白崖線)に残る史跡やみどりのベルトの現状をご覧いただきました。E邸は、すでに建設会社によりいっさい立入禁止の措置がとられていますので、近接地からの観察および隣接するマンションの屋上からの庭園調査、また各種ビデオに収録された建物や庭園の詳細をご覧いただきました。

 

写真下は、隣接するマンションの屋上から見た、薬王院の森にかけてのグリーンベルト。手前の建物がE邸です。左側の巨大な樹木が、樹齢推定200年を超える武蔵野原生のクスノキです。

当日は、ときどき小雨もパラつくあいにくの空模様でしたが、両先生ともたいへんご熱心にE邸と庭園、そしておとめ山公園から薬王院へとつづく、下落合のグリーンベルトを調査・観察されていらっしゃいました。

写真下は、隣接するマンションの屋上からカメラを手に、観察・調査される石川幹子先生。気温が低く、冷たい風の吹く中で、大崎清見先生とともに長時間にわたってE邸とその庭園とを熱心にご覧になっていました。また、「トラスト基金」のインタビューにも快く応じてくださり、建物と庭園の調和、特に庭園の広がりと奥深い美が素晴らしいこと、目白崖線に連なるかけがえのないグリーンベルトをぜひ残すべきであることなどを、強く訴えていらっしゃいました。

 

 

 

さらに、石川先生は、小金井から国分寺の殿ヶ谷庭園(旧・岩崎家別邸)にいたる国分寺崖線(ハケ)の斜面とまったく同様に、武蔵野原生林が残る、いまや都内でも貴重な南斜面であり、まったく同等の価値があるとお話になりました。「庭園は完成度が高く、きわめてていねいな仕事がなされています。このままの状態で保存するのがベストです」とのご感想でした。

写真左は、マンションの屋上から見たクスノキ。屋上からでもまだ、幹の中途の高さでしかなく、いかにクスノキが巨大であるかがわかります。

 

 

写真左は、「トラスト基金」メンバーの自宅で、E邸の詳細なビデオをご覧になる、手前が大崎清見先生、中央が石川幹子先生。大崎先生は、227日の邸内調査会にもお越しいただき、たいへん熱心にE邸の保存を主張されていました。また、E邸は存在そのものが子孫へ残すべき文化財だ…とのご見解から、新宿区への要望書もさっそくお作りくださり、公開要望書として「トラスト基金」へご提供くださいました。

 

近々、石川幹子様からの正式な意見書が新宿区へと提出されると思いますが、「下落合みどりトラスト基金」では先生のご了解を得て、当Webサイトでも公開したいと考えています。寒い中ご多忙中にもかかわらず、石川幹子様、大崎清見様、ほんとうにありがとうございました。心よりお礼申し上げます。

 

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