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大崎清見様から中山新宿区長への公開要望書

 

東京環境工科専門学校専任講師であり、NPO法人「東京セントラルパーク代表監事」「府中かんきょう市民の会理事長」でいらっしゃいます、大崎清見様による中山新宿区長への要望書がとどきました。ご本人のご了解を得て、本サイトで公開いたします。

 

 

新宿区下落合の旧E邸の保全と活用に対する提言

 

新宿区区長

中山 弘子様

東京環境工科専門学校専任講師

大崎 清見

○保全と活用に対する提言

 

1 現地見学の経緯

私は、慶應大学石川幹子教授(現在アメリカにて教鞭中)からの情報で、庭園の評価を個人的に依頼され、個人的にも関心があり、急遽227日に旧E邸を地元方々と見学し、次のような結論に至りました。

 

2 見学の結論

(1)結論は、明治初期の前田邸を移築し、歴史ある建物と庭園を一体に保全し、区民生活の「緑の環境学習小屋」として活用を図っていただきたい、こと。

(2)見学後の緊迫した状況も伺っておりますが、なにとぞ新宿区としましての善処をお願い申し上げる次第であります。

 

3 建築物に対する感想

建築物は、私を明治の時間に戻してくれました。それは新宿御苑にも今は無い建物と雰囲気であり、内外一体としたたたずまいは専門家の評価も高く、ぜひ保存を図るべき土地と庭園であります。

 

4 庭園など観察の所見

(1)ひょうたん池を中心にした回遊式日本庭園で、植栽は日本古来の植栽と住人の植物に対する関心度が、とても印象深く感じとれました。

(2)植栽された植物は、地被植物から高木まで全体で43種類が確認でき、アカマツやコウヤマキ、ツブラシイなど日本庭園の明治の思想と技術があり、一方、スイフヨウやセイヨウヒラギ、園芸種のビヤクシンなど近代的な植物が巧妙に配植された庭園を構成しています。

(3)また、1,900平方メートルの敷地は、目白崖線の上にあり、右手に新宿新都心、前面には左右に展開する町並と抜群のロケーションです。

(4)下落合地区の公園緑地を見ますと、右崖線下には「野鳥の森」があり、約1キロ左の崖線の谷には、貴重な湧水を含む素晴らしい古の武蔵野林の「おとめ山公園」が保全され、活用されています。この両地区ともに新宿区の所有地で、管理も万全である様子が一目瞭然でした。

(5)他方、目白崖線はことごとく宅地化され、一部急斜面のみ点々と僅かに緑が残されている現状です。

(6)快適な都市生活の緑被率は30%が基準です。日本全国の緑被率が97%に比べ、東京23区の緑被率は3%程度で極端に都市化しています。

(7)従いまして、旧E邸は「野鳥の森」と旧傾斜地の緑、そして「おとめ山公園」を結ぶ間にあり、これらを連結する「緑のコリドー」(回廊)とすることは過密な都市にあって、地域や新宿区にとりましても未来永劫にわたり大変有効な行政施策と判断出来ます。

 

 

 

 

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