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39日の「下落合みどりトラスト基金」緊急報告会レポート

 

「下落合みどりトラスト基金」の緊急報告会が、39日(水)午後7時より落合第一地域センター3階の集会室において開催されました。集会の告知期間が1週間に満たなかったのにもかかわらず、会場には100名を超える方々が集まり、一時はイスの数も足りなくなるほどでした。会場は、E邸とその屋敷森の保存とを求める熱気に包まれました。

■ビデオ放映<1>

212日に放送された、日本テレビの「報道特捜プロジェクト」録画ビデオを放映しました。2匹のタヌキが現れてエサを食べるシーンや、初期のころの新宿区の対応が映し出されました。

 

■経過報告

「下落合みどりトラスト基金」のこれまでの活動経過、および日々刻々と情勢が変化するE邸をめぐる現状とを、「トラスト基金」の武田事務局長より報告させていただきました。また、現在の土地所有者である新日本建設株式会社への要望署名、および中山弘子新宿区長に対する要望書への署名を、新たにみなさまへお願いいたしました。

 

■ビデオ放映<2>

「トラスト基金」が制作した、現地見学会の様子を収録したビデオを放映しました。武蔵野原生の樹木や四季の草花が豊富な、E邸の南斜面に面した広大な庭園をはじめ、現在では技術を持った職人がいなくなりもはや建築が不可能といわれる屋敷、邸内の五三ノ桐をあしらった印象深い鴨居、金銀の瑞雲がたなびく襖、いまではほとんど見られなくなってしまったしっかりとした造りの床の間、畳敷きの廊下、大正ガラスのやさしい光が美しい台所などが、つぎつぎと写し出されました。庭の樹木や屋敷、そして邸内に残された装飾や調度類が、まるで静かに保存を訴えているような映像です。途中、建築史がご専門の東京大学・藤森照信教授(工学博士)からコメントをいただきました。

 

■倉嶋厚様のお話

NHKお天気キャスターの倉嶋厚様より、下落合界隈のお話をうかがいました。倉嶋様は、日ごろから下落合を散策されており、野鳥や草花を詳細に観察されています。下落合では、ホトトギスやコゲラなどを見かけることが年々少なくなってきていることなど、俳句などをまじえた独特な語り口でお話されました。(写真下は、お話される倉嶋様)

■伊郷義信様のお話

E邸の建築と庭園の調査をされました、文化女子大学の造形学部講師でいらっしゃいます伊郷義信様(伝統技法研究会員)により、建物および庭園の調査報告がなされました。伊郷様は、227日の内覧調査会での観察結果から、屋敷のすばらしさや貴重さを、「五右衛門風呂」や「総檜(ヒノキ)の建材」など具体的な事例を挙げながら、後世に残すべき建物であることをわかりやすく力説してくださいました。

 

■質疑応答

質疑応答では、以下のようなやり取りや意見が出ました。

文化財保護の方法について、伊郷先生から「登録文化財としての保護が一番速いが、それでも半年以上はかかります」とのお答えでした。

新日本建設への対応として、区・都・国レベルからの行政指導を期待する意見が出ました。

「トラスト基金」側からみなさまへ、対・新日本建設株式会社、対・中山弘子新宿区長への要望書に署名するようお願いしました。また、署名用紙をお持ち帰りいただき、できるだけ多くの方々へ広めること、今後とも「トラスト基金」へのご支援を重ねてお願いいたしました。

参加者のみなさんは、E邸と屋敷森の保存について心から願っており、地元の下落合ばかりでなく各地から駆けつた方もいらっしゃいました。質疑応答も、予定時間をはるかに超えてつづき、終了したのは930分近くです。あと片付けをしながら、会場内では話の輪がいくつもでき、帰りぎわに署名してくださる方も大勢いらっしゃいました。結局、地域センターが閉館するぎりぎりまで、熱気あふれる集会となりました。

一夜開けた本日(3/10)午前9時、集会場でいただいた署名は昨夜の会場写真を添えて、新宿区議会の小野きみ子議員および根本二郎議員により直接、中山新宿区長へと手渡されました。昨夜の報告会だけで、署名者数は112名にものぼります。

 

 

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