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洋画家・中村彝アトリエの保存が決定

 

  下落合に残る洋画家・中村彝の1916(大正5)に建築されたアトリエが、新宿区により保存されることに決定いたしました。地元で中村彝アトリエ保存会」Click!が活動をはじめてから、3年半の歳月が経過していますが、ようやく洋画界の巨人のひとり中村彝を記念する貴重な文化財が、後世へ伝えられることになりました。

  すでに用地取得(一部賃貸)、あるいは建物取得の準備が進められており、今年9月に開かれます新宿区第3回定例区議会へ補正予算案が提出され、10月に補正予算の成立後、敷地の一部および建物の取得が行なわれるものとみられます。新宿区は、同アトリエを「中村彝アトリエ記念館」(仮称)として、落合地域の文化・歴史資源の拠点のひとつとして位置づけており、取得理由(保存趣旨)としては以下のように述べています。

第一次実行計画「落合の文化・歴史資源の整備・活用」に基づき、落合地区の貴重な文化・歴史資源である洋画家中村彝のアトリエを記念館として整備・保存し、後世に伝えるとともに、施設の公開等による積極的な活用・情報発信を行なうことで、区民の地域文化や歴史に対する誇りや愛着を育み、地域文化の振興を図る必要があるため。

「中村彝アトリエ記念館」(仮称)の竣工・オープンは、2012(平成24)をめざしています。また、中村彝アトリエの現況は、大正期あるいは昭和初期に植えられた樹木が大きく成長し、濃い屋敷林を形成しています。庭先に中村彝がアトリエ建築当初に植えたとみられるアオギリをはじめ、コブシやカワリツバキなどが青々と葉を繁らせ、隣接する下落合東公園とともに緑ゆたかなグリーンエリアをかたち作っています。

  「下落合みどりトラスト基金」としましては、アトリエの修復・保存ばかりでなく、タヌキたちも往来するClick!このかけがえのない緑地帯も、併せて保存していただければと思います。おとめ山公園Click!から“たぬきの森”と野鳥の森公園、そして中村彝アトリエと下落合東公園・・・というように、緑の点が少しずつ線へ、そして線からやがては面へと、人々が安心して暮らしつづけられる緑ゆたかな下落合を取りもどしていくことを願ってやみません。

 

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