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業者は是正勧告を無視し新宿区は代執行を検討

 

  2010(平成22)412日に、新宿区と“たぬきの森”の近隣住民、そして「下落合みどりトラスト基金」も交えた会合が行われました。違法建築に対する新宿区の「是正勧告」を無視して、業者は新宿区建築審査会へ審査請求を出し、新宿区は解体の代執行の可能性を示唆しています。

 

■新宿区の現状報告と今後の展望(要旨)

  新宿区は、東京都と国のマニュアルにしたがい、新日本建設へ違法建築の是正を勧告、さらに是正の督促をしているが、業者からの回答はまったくない。このまま膠着状態がつづけば、業者に対して推奨案(違法建築の解体・撤去など)を具体的に提示するのが次のステップとなる。さらに、業者が無視しつづけるとすれば、これまで前例はないが、場合によっては新宿区が代執行(区が業者に代わって違法建築を解体・撤去し、費用を業者に請求する)をも視野に入れている。

  現在、新宿区は業者に対し、違法建築の是正と周囲の安全性確保を、勧告ではなく指導する準備を進めている。一方、業者は処分取り消しを不服として、新宿区建築審査会へ審査請求をしており、第1回目の審議が412日に行われている。

■周辺住民の発言や主張

火災が起きた場合など、最高裁において周辺住民の生命や財産に影響をおよぼす違法建築だと結論づけられている現在、建設途中である「重層長屋」の安全性などを議論するよりも先に、危険な違法建築の解体・撤去を一義的に検討して欲しい。

新宿区が、危険な違法建築の解体などのアクションをすみやかに起こさない場合には、周辺住民は区を再度提訴する用意がある。

新宿区建築審査会は以前、審議に3ヶ月以上も費やすという規定違反を犯し、さらには誤った結果(違法な審査結果)しか出さなかった。建築審査会は、すでにコンプライアンスを体現できず機能不全に陥っており、まったく信頼できない組織だ。仮に建築審査会が、裁判結果のようなしごく当り前な審査結果を出していれば、周辺住民をはじめ、新宿区、建設業者、地域の環境などへの被害や影響を、最小限に食い止めることができたはずだ。

3者的な立場のはずであり、本来審査の課題にはフェアであるべき審議会のメンバー構成は、いったいどうなっているのか? また、どのように責任をとるのか? 新宿区は、違法審査を繰り返した建築審査会の審査結果など待たず、ただちにアクションを起こして欲しい。

 

■周辺住民に対する新宿区の回答

違法建築の解体・撤去に関しては、できるだけ早急に対応したいが、現状では建築審議会の審査結果を待つことも考えている。

建築審議会は中立な立場なので、新宿区側からは何の注文もできない。しかし、住民側から早く審議する要望が出ていることは伝える。現在の審査会メンバーは、当時とは異なり責任者である委員長ほか数名が、すでに入れ替わっている。

 

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