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“たぬきの森”事例が大学院生の研究テーマに

 

 先日、「下落合みどりトラスト基金」あてに、都内某大学の大学院生の方々からコメントをいただきました。みなさんは将来、国家公務員をめざす大学院生で、以前より“たぬきの森”をめぐるさまざまな問題や「トラスト基金」の活動に注目され、研究テーマとしてこれまで地道に取材を重ねてこられました。最高裁判決のときも、原告団(周辺住民のみなさん)に同行し、記者会見の際にはお手伝いもしていただいたそうです。“たぬきの森”のケーススタディが、将来のお仕事の糧として、あるいは研究論文の主題として、多方面から議論や検討を重ねていただければ幸いです。

■大学院生Aさん

 下落合みどりトラスト基金をはじめ、区民の皆様、この度は全面勝訴、本当におめでとうござます。このような貴重な場に、直に立ち会えたこと、心から誇りに思っています。約5年に渡る努力と苦悩の末、区民の皆様の心の叫びがやっと報われたことに、深く感銘を受けました。“継続は力なり”、この意味の深さを目の当たりにしました。

 新宿区に対しては、都市計画においても議会改革の推進、七つの都市の森構想や御留山のグリーンベルト一部化の発案等、区長さんを筆頭とし、環境面においては協力的であると評価しておりました。しかし今回、なぜ違法建築の可能性をも秘めた案件に特例措置をとられたのか、私達の知らない有事が多く存在していたことは残念でなりません。私達には懸命に行政に働きかけることしか出来ない中、働きかけても変わらないだろうという諦めの気持ちから声をあげる人々が減少してきているという報告もされています。けれど、今回の区民全面勝訴は、その暗闇を少しずつ照らしていく光になったのではないかと思っています。

 これを機に、自分達の住む街にも積極的に参加し、屈せずに精進して参りたいと思う次第です。歴史的な建造物がもうそこには存在しないという事実は悔やまれますが、きっと素敵なみどりの公園になると確信しております。まだ、工事中の建物の今後など、目を見張るべき点が多く存在していると思いますが、どうぞ最後まで頑張って下さい。植樹等、何かお役に立てることがあれば、幸いです。

 

■大学院生Bさん

 地域の開発や保全に関する議論には以前から興味を持っていました。地域住民や開発業者、行政、更に将来そこにすむかもしれなかった人など、多くの利害関係者がいて、一致した答えを出すことは難しいとは理解していました。

 今回、最高裁判所の判決で、ひとつの答えが出たと思いますが、何よりも、今までずっと住んでいて、これからも住み続ける地域住民の意向が認められたことをとても嬉しく思います。もし自分の家の近くで、住民を無視した開発が起こっていたら・・・と考えると、全くの他人事とは思えませんでした。

 これからまだ時間はかかると思いますが、また地域のみどりの憩いの場へと戻ることを祈っています。

 

 

 

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