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続報 最高裁で下落合住民側が全面勝訴

 

  速報でもお知らせしましたとおり、昨日(1217)1330分、最高裁判所の第1小法廷で宮川光治裁判長から、「控訴人(新宿区)の訴えを棄却する」という短い判決主文が言い渡され、長い裁判は住民側の完全勝利で決着しました。笑顔の住民側に対し、新宿区側の建築課や弁護団、「重層長屋」の建設会社の関係者たちは、無言でその場を立ち去りました。

  その後、住民側は霞ヶ関の東京地方裁判所・高等裁判所の建物内にある司法記者クラブに移動し、多くの報道陣に囲まれての記者会見に臨みました。会見は弁護士のコメント、住民側のコメント、報道陣からの質問へと進みましたが、報道陣が注目したのは建築確認が取り消された感想や、判決後の違法建築である「重層長屋」が、これからどのようになるのかという点でした。

  住民側は「今回の最高裁判決で、地域住民の住環境を守ることができたことは画期的なことであり、都市部で進む乱開発の今後に一石を投じたのではないか。新宿区もこのような大失態は繰り返さないで欲しい」と発言。

  また、「下落合みどりトラスト基金」の関係者は、「新宿区は過ちを犯しましたが、中山区長は公園化に向け予算を計上し、活動をバックアップしてくれました。わたしたちとしては今回の結果を踏まえ、数多くの支援者のためにも下落合のみどりの復元をめざし、引きつづき新宿区に働きかけて行きたいと思います」とコメントしました。今後は、判決を受けた建設業者がどのように出るのかが注目されますが、新宿区との交渉がよりよい方向へ向かうことを期待しています。

 

  NHKテレビでは、夕方17時台のニュースを皮切りに、異例の建築確認取り消し、記者会見の様子、取材ヘリコプターを使った現地の様子、下落合のたぬきの様子、新宿区のコメントなどが繰り返し放送されました。ニュースは首都圏ばかりでなく全国ネットでも放映され、本裁判に対する関心の高さがうかがわれます。さらに本日(1218)は、朝日新聞、読売新聞、東京新聞などでも本裁判に関する記事が大きく掲載されていますので、ぜひご注目ください。以下、ネットにおける各メディアの報道です。

■毎日新聞

http://mainichi.jp/select/today/news/20091218k0000m040082000c.html

■朝日新聞

http://www.asahi.com/national/update/1217/TKY200912170383.html

■東京新聞

http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2009121802000086.html

NHKニュース

http://www3.nhk.or.jp/news/k10014483531000.html

  もうひとつ、非常に「面白い」ことがありました。昨日のNHKで放映された夕方18時台の「首都圏ネット」でも、今回の最高裁による判決報道が流されたのですが、そのニュースが流れる直前に、東京都の職員がビルの耐震化推進に尽力している・・・という趣旨の特集報道がありました。その東京都の職員こそが、なんと今回の周辺住民の方々が起こされた裁判の、そもそもの発端(建設業者に対する違法な「特例認定」と「建築確認」)に関りのあった、2004(平成16)当時の新宿区建築課課長だったのです。NHKはまったく気づかなかったものか、同じ番組内でしかも時間も相前後して、何とも皮肉な巡り合わせが実現してしまいました。

 

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