下落合4丁目の旧・屋敷森に関するお願い
2009年(平成21)1月16日
わたしたち「下落合みどりトラスト基金」は、2005年(平成17)の11月に中山弘子新宿区長および新宿区議会へ要望・陳情をして以来、下落合4丁目の旧・屋敷森(通称:たぬきの森)とその周辺一帯の環境保全のため、地元で積極的な活動をつづけてまいりました。特に、下落合の目白崖線沿いに残りいまや稀有なグリーンベルトを形成する武蔵野の雑木林、そしてその自然の中で棲息するかけがえのないたくさんの動植物は、今日の新宿区のみならず東京23区全域においてももはや貴重な存在であり、そのすみやかな保全と後世に伝えるための施策が急務であると考えています。
「トラスト基金」には現在、たぬきの森の保全に賛同した方々から、実に5,719名もの署名や数多くの応援メッセージが寄せられています。この間、近隣住民のみなさんが「安全認定」や「建築確認」の取り消しを求めて訴訟を起こされ、「トラスト基金」としましても重大な関心を寄せてまいりました。これらの訴訟に対し、裁判所はこれまで安全認定の「出訴期間が徒過」したという形式的で表層的な理由のもと、処分内容の適法性についてはまったく審理してきませんでしたが、2009年(平成21)1月14日の東京高等裁判所の判決により、ようやく処分の内容について司法の判断が下されました。
同判決では、新宿区が「安全認定」の根拠として主張していた論拠をことごとく否定し、本件認定は新宿区長が「裁量権を逸脱濫用」したものと断定して、「安全認定は違法であり、建築確認は取り消す」との非常に明快かつ適切で、論理的な結論を導き出すにいたりました。このことは、すでにお手元の判決文でご承知の通りです。
中山新宿区長におかれましては、かかる結論が出るにいたった状況を真摯に受け止められ、区民との間でこれ以上の無用な争いをつづけることなく、新宿区として本件に関し最高裁に上告を行わないとのご決断をなさいますよう、改めてご高配いただきたいと思います。当初より、「遺憾の意」を表明されていた中山新宿区長に対し心苦しくはありますが、改めて強くお願い申し上げるしだいです。
下落合みどりトラスト基金
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