トップページ

夏草が生い茂るセミしぐれの“たぬきの森”

 

 多くの木々が伐採され更地の状態がつづく“たぬきの森”は、立ち入る者も途絶えて一面に雑草が生い茂っています。あたり一面から聞こえるセミしぐれの中、周囲の森とは対照的な静けさを保っています。昨年の夏には、うるさいほどのセミの声が、この“たぬきの森”からも聞こえていました。レイチェル・カーソンの本のタイトルをもじれば、破壊された不気味な「沈黙の夏」が“たぬきの森”を支配しています。

 しかし、この原っぱは子だぬきたちの格好の遊び場になっているようで、たぬき一家の訪問がほぼ毎晩にわたり確認されています。移植したケヤキはなんとか葉が茂り、枯死が懸念されていたオオクスノキも、ようやく弱々しい芽を吹いてはいますが、以前の圧倒する大樹の面影を知るわたしたちにとっては、たいへん無残かつ情けない姿となって映ります。

 これらの残された樹木がどれだけの酸素を産み、条例にもとづく緑化率に寄与するのかは不明ですが、建築計画とともに策定された緑化率の大幅な見直しが必要になることは、ほとんど間違いなさそうです。

 

 

Copyright © 2005-2006 Shimoochiai Midori Trust. All rights reserved.