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「おとめ山公園対策協議会」の発会式に参加

 

  79()午後530分から、落合第一地域センターにおいて、「おとめ山公園隣接公務員宿舎跡地対策協議会」(以下「おとめ山公園対策協議会」と略)の発会式が、地域住民200名近くが参加して開かれ、「下落合みどりトラスト基金」からも多くのメンバーが参加しました。

 

  これは、おとめ山公園に隣接する10,730平方メートル(3,200)の公務員宿舎が、2008(平成20)に払い下げられるのを受け、新宿区にその跡地買い取りを要請・推進していこうという趣旨で発足した協議会です。発会式では、それぞれ準備会で決定した役員が紹介されました。協議会へ参加している町会は、以下のとおりです。

  ・中落合一丁目みどり町会

  ・中落合やよい町会

  ・中落合二丁目町会

  ・上落合東部町会

  ・下落合四丁目町会

  ・下落合和久会

  ・下落合東町会

  ・高田馬場住宅自治会

 

■払い下げ予定地(白点線部)

発会式では、参加者の間からさまざまな意見が出されました。主なものは、以下のとおりです。

落合地区の広域避難所は百人町だが、災害時は遠方すぎてたどり着けるかどうかわからない。跡地を買い取ってもらい、ぜひ落合地区の避難場所にしてほしい。

民間に払い下げられれば、マンションになるのは目に見えている。それにより地下水脈が大きなダメージを受けて、湧水や周辺の井戸が枯れてしまう怖れが大なので、ぜひ貴重な自然を残す意味でも、公園を拡大して欲しい。もう、マンションはいらない。

タヌキが棲息する貴重なグリーンベルトのカナメなので、ぜひとも新宿区に買い上げて欲しい。もう、これ以上みどりが減るのはごめんだ。

おとめ山公園には、貴重な動植物がいまだに生き残っている、都内でも稀有な自然公園だ。その環境を保全し後世に残すためにも、跡地は公園利用が望ましいと思う。

そのほかにも、さまざまな意見がでましたが、共通するのは跡地を新宿区に買い上げてもらい、避難場所兼公園(あるいは公共施設)として残し、おとめ山公園の自然を絶対に守る・・・というコンセンサスです。以下、「おとめ山公園対策協議会」の案内状(部分)です。

(前略)

  さて、かねてよりお聞きおよびのことと存じますが、政府の行政改革の一環として、公務員宿舎の見直し、効率化が推進されております。落合地区も例にもれず、「おとめ山公園」に隣接し良好な環境下にある、下落合公務員宿舎が2008(平成20)の集約対象となり、払い下げとなることが決定いたしました。

  現在の落合地区の住民は、地震などの災害時における広域避難所として、落合からはかなり距離のある大久保・百人町が指定されています。また、公務員宿舎払い下げ予定地の南、目白崖線の斜面に位置します「おとめ山公園」は、新宿区における貴重な緑保全地区として落合のみならず、新宿区民全体の憩いの場であり宝物となっています。新宿・落合に眠るさまざまな歴史を振り返り、町のボランティアのみなさんが江戸期からの名物“落合蛍”の復活に取り組むなど、地域のよりどころともいうべき存在です。さらに、隣接する豊島区からも幼児や児童が数多く訪れ、自然を学び楽しむ貴重な場所となっています。

  しかし、いまや新宿区でも稀な自然の泉が湧く「おとめ山公園」は、近年の開発によって地下水脈が分断されるせいか、谷戸の水源は心細いものになっています。これ以上の開発が進めば、貴重な湧水源を失うことになりかねません。省みますれば、1964(昭和39)に地元の有志が、時の大蔵大臣・故田中角栄氏へ陳情し、故人の英断によって今日の「おとめ山公園」が存在しています。落合の歴史に学び、先人の想いや意志を継承していくことも、わたしたちの大切な責務ではないかと考えております。

(後略)

 

  「トラスト基金」としましても、屋敷森と同じ目白崖線の貴重なグリーンベルトのカナメ、おとめ山公園とその周辺の環境を守るために、できうるかぎり協力していきたいと考えています。参加者のおひとりが言われていましたが、「もう、マンションはいりません」。わたしたちに必要なのは、広域避難所の問題を含め、安心して暮らせる安全な住環境と、減りつづけるみどりを少しでも回復させ、人間のみではなく貴重な動植物が共存できる環境づくり、そして落合の先達がそうされたように、それを後世に伝えることだと考えています。

 

 

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