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屋敷森は3月中に伐採して本格着工は延期

 

  いまさら信じられないことですが、業者は工事を始めるにあたり、住宅街へ進入する大型車両の通行認定許可を申請していませんでした。「下落合みどりトラスト基金」では、新宿区へ公開請求を行い、当該書類が「不存在」であることを先々週よりつかんでいました。前回の「説明会」で気づいたものか、あるいは新宿区から連絡が行ったものか、工事開始にあたって当然そろえなければならない書類の不備による、またしても工事延期です。

 

  昨日(228)の「説明会」で、業者は通行認定の取得に半月ほどはかかるので、本格的な建築工事開始は遅れるだろうという説明でした。つい最近、工程スケジュール表Click!を周辺の住民へ配布したばかりです。にもかかわらず、工事に関する基本的な書類申請さえしていない、そのずさんな計画に、ただただ呆れるばかりです。指摘がなければ、通行認定許可を取らずに工事を開始しようとしていたのでしょうか?

  昨日の「説明会」は、おもに本格的な建築工事へ入る前段階、つまり残っている蔵の解体や樹木伐採にともなう搬出入作業に関するものでした。しかし、大型車両を用いた本格的な建築工事が半月延びたにもかかわらず、屋敷森の樹木伐採は予定通り、316日から行うとのことです。「トラスト基金」としましては、樹木が伐られてしまってはなんにもなりませんので、相変わらず危機的な状況がつづいていることになります。

 

  また、業者が示した「施工要領書」Click!の内容をめぐり、周辺住民のみなさんとの間でいろいろ具体的なやり取りが行われました。車両通行の時間帯、振動・騒音について、周辺住宅への振動被害についての事前調査、「要領書」ではなく「誓約書」にすべきだ・・・等々がテーマです。さらに、屋敷森の南側にある崖線の擁壁問題が、大きくクローズアップされてきました。特に、南西側の崖下に家屋敷地をお持ちの方から、「あくまでも、壁の上部から2mの安全空地を取らなければ工事を認めない」という強い要求が出されました。「トラスト基金」が要求している、この擁壁の断面図の拡大版も、業者はいまだ提出していません。

  これらの課題をクリアするために、3月中旬に再度、業者による「説明会」が開かれる予定となりました。時期的には、現状の作業工程のスケジュールからしますと、屋敷森伐採の直前あたりです。なお、業者側は周辺住民への断りなしに、重機を搬入することはないと言明しました。

 

  一方、新宿区議会では、「説明会」に先立つ227()、議員と新宿区との間で以下のような質疑応答が行われています。

建物の安全と周辺住民の安全について

  建設計画が区へ提出されたときは、建築課だけでなく、みどり保存も、防災も、環境も、あらゆる部署の担当者が検討してから、結論を出す仕組みに変える必要があると思うが?

  ご質問の認定については、東京都建築安全条例に規定する接道長さの緩和認定を行ったものであり、その建築計画すべてにおいて、安全であると認定をしたものではありません。また、安全性については、現在申請されている建築確認および今後予定されている擁壁の工作物申請の中で審査するものです。なお、敷地の安全性については、建築主に対して、施工計画の提出を求めるなど、工事中の安全性の確保についても十分配慮して審査するとともに、検査も実施してまいります。

 また、関係部署の連携については、より一層連携を密にするため、総合的な調整を行う仕組みとして、大規模開発プロジェクト等連絡会を設けたところです。

  このところTVや新聞などの各メディアも、安全性などをめぐって現在東京地裁で係争中であり、都内でもいまや貴重な武蔵野原生林を伐採して無理矢理「重層長屋」を建設しようとしている、強引かつ配慮を欠いた計画に大きく着目しており、「トラスト基金」への取材も頻繁化しています。ここしばらく、各マスコミの報道にご注目ください。本サイトでも随時、報道を掲載してまいります。

 

  今回の説明会をみても、「安全認定」に関するテーマのほか、南側の崖問題が大きく浮上し、安全性をめぐる課題がさらに拡大しています。「トラスト基金」へ関心をお寄せいただいている全国のみなさんが注目する中、樹木が伐採されて二度と取り返しがつかなくなる前に、新宿区は業者との買取交渉を継続し、業者側も歩み寄りをみせていただきたいものです。

 

 

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