新宿区長と業者とのやり取り文書を入手
昨年の秋から暮れにかけ、屋敷森建設に関する中山新宿区長と業者とのやり取りの文書を入手しました。これによれば、すでに昨年の12月の初めには、新宿区は実質的に業者との協議において、屋敷森の買い取りをあきらめ、集合住宅建設を許容してしまっているニュアンスが、明らかに感じられます。
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署名数が5,000人を突破し、同様の運動では類例のない規模の「トラスト基金」への寄付が記録されている最中に、すでに新宿区長は「緑化図面」の認知や「クスノキの移植」などの詳細な作業内容まで、業者との間でとうに詰めていたことになります。しかもその間、「下落合みどりトラスト基金」や周辺住民のみなさんが、さまざまな方法で区や議会へ働きかけ、業者との話し合いの進捗や買取価格などの案件について、再三にわたり問い合わせをしていたはずです。
それら区民たちの問い合わせに対しては、常に「進展がない」「業者が価格を下げない」との回答でした。区民からの要望や働きかけには進展がなく、業者との集合住宅建設へ向けた交渉では「進展」があった・・・ということなのでしょうか?
もう一度、ここで繰り返し問いかけます。新宿区長は新宿区民ではなく、どちらの方角を向いて政務を行われてますか? 以下、新宿区と業者とのやり取りの全文です。タイムスタンプにご留意ください。(引用のため敬称および宛名略)
■建築確認の申請等にあたっての要望書(新宿区→業者)
建築確認の申請等にあたっての要望書
平成17年10月31日
新宿区長 中山 弘子
下落合4丁目768番8・775番地20号において計画中の建築計画においては、緑化計画書制度に基づく協議等について、すでに話し合いを重ねているところではありますが、今回改めて貴社建築計画について要望いたします。
新宿区では、この敷地にある既存樹木の現地調査を行い、クス、ケヤキ、キンモクセイ、シラカシなどの貴重な樹木が多数あることを確認しました。区は、この確認を踏まえ、今後、建築に際しては、緑化計画書制度に基づく緑化基準を満たすことは当然のこととして、特に、上記の既存樹木を保全した計画とするよう強く要望いたします。
また、現在「建築確認申請を確認しないでほしい。」及び「建築確認申請前に近隣住民に対して、充分な説明をするよう建築主に指導してください。」という旨の2種類の陳情書が、周辺住民から新宿区議会に対して、提出されているところです。建築確認申請にあたっては、上記の既存樹木の保全、並びに充分な計画の説明等、近隣住民に対しての配慮に遺漏のないようお願いいたします。
区としては、都市という空間で人が暮らすためには、みどりや水辺の存在が重要であり、この敷地に限らず、みどり豊かな環境を保全していきたいと考えておりますので、ご協力のほどよろしくお願いいたします。
なお、当該土地の売買につきましては、以前からお話していますように、区では、不動産鑑定額に下落合みどりトラストの寄付金を加算した額以上の額では、多くの区民の理解を得る事が困難ですので、何卒ご協力の程よろしくお願いいたします。
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■回答書(業者→新宿区)
回答書
平成17年11月25日
新日本建設株式会社
代表取締役 金綱 一男
株式会社ソフトアイ
代表取締役 石田 幸雄
先般、新宿区より提示の有りました、「建築確認の申請等にあたっての要望書」に対しまして下記事項を回答いたします。
1.既存樹木の保全について
・別図の通り金木犀、ケヤキ、白樫につきましては建物の移動・変更を行い保全致します。
・楠につきましては申請敷地内に移植致し保存する努力をいたします。
2.確認申請について
・今回の変更事項を近隣住民の皆様に説明を行った後、確認の提出を致します。
尚、本回答書に対するご指導事項は勝手ながら平成17年12月2日までに文章にてご提示ください。
以上
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■建築確認の申請等にあたっての要望書に対する「回答書」について(新宿区→業者)
建築確認の申請等にあたっての要望書に対する「回答書」について
平成17年12月1日
新宿区長 中山 弘子
平成17年11月25日付け、回答があった既存樹木の保全については、別図1(既存樹木検討図)のとおり、了解する。
なお、クスノキの移植に際しては、事前に新宿区と協議を行い、樹木の特性を十分に踏まえて、適切な時期に最適な工法により施工すること。
以上
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★文書に登場する関連図面Click!参照
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