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下落合の屋敷森から眺める富士山

 

  下落合の目白崖線(バケ)上からは、富士山を眺めることができます。周辺のお年寄りにうかがいますと、昔は連日のように見えたというお話を数多く耳にします。現在の中落合34丁目に開設され、大正時代に建てられた目白文化村Click!の家々の2階からも、富士山が鮮やかに見えたという記録が残っています。

西落合あたりから見た富士山。手前は哲学堂。

  「下落合みどりトラスト基金」が保存活動を進めている屋敷森からも、富士山をきれいに見ることができます。屋敷森は、業者による「確認申請」が目前に迫り、今後の展開は混沌としていますが、積雪のあと、空気が澄みきった123()は、屋敷森から美しい日没とともに富士山が見られました。6年ぶりの低温と澄んだ空気で、一昨日の雪が強風に舞い、都心・新宿区からの眺めとは思えない、実にドラマチックな光景となりました。

 

  東京からの富士山は、ちょうど山中湖から見た富士とほぼ同じ様相で、11月上旬とちょうどいまの時期、太陽は富士山の山麓へ沈みます。気象状況によって、富士山は年ごとにさまざまな姿を見せてくれます。昔は、下落合のあちこちからこのような富士が見られたのでしょう。

  屋敷森へ「集合住宅」の建築が始まりますと、下落合の森に沈む、そして富士山の山麓へと沈む美し夕暮れは、二度と見られなくなってしまいます。屋敷森に残る原生林のみどりとともに、ぜがひでも下落合の「風景遺産」とでもいうべきこの光景を、これからも守っていきたいと考えます。

 

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