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新宿区議会に陳情書と区長に要望書を提出

 

 「下落合みどりトラスト基金」は、1128()午後0時すぎ新宿区庁舎にて、新宿区議会議長あてに「建築確認業務の現行制度改善についての陳情」書、ならびに新宿区長あてに「(仮称)『下落合4丁目集合住宅』建築に関する要望書」を提出いたしました。

 

 まず、新宿区議会議長あての陳情書は、現在全国的な拡がりをみせ、国レベルの問題にまでなりつつある“ホテル・マンション耐震強度偽造事件”の報道を踏まえ、「姉歯事務所」に協力したとみられる「イーホームズ」が、新宿区の民間検査機関の指定を受けていることを重視。「トラスト基金」では、住民の安全や住環境の保全に関係する認可事項は、営利主義の先行する民間企業に委託せず、自治体の業務にもどすよう法改正すべきこと、さらに建築審査の関係部課が情報を共有し、審査過程の透明化や統合化を図ること・・・などを骨子として陳情しました。

 

 耐震強度偽造事件では、建物の検査機関(担当者)と建設会社が癒着し、第三者のチェック機能が存在しない場合は、利益追求のために限りなく腐敗していく状況をしめしています。本来は、住民の安全を守るべき検査機関が、逆に住民の生命を危機におとしいれる“検査”を率先して行っていたわけで、「トラスト基金」では現行の建築確認業務の見直しを図るよう強く要望しています。

 

 また、中山新宿区長あての要望書では、周辺住民が東京地裁に提訴している裁判の判決以前に、建築確認済証が発行され業者が着工してしまった場合、新宿区は住民が係争中の裁判を無視して、工事をそのまま黙認するのかどうかを問う内容となっています。新宿区はその際、東京都安全条例第43項での認定処分(安全特例認定)を取り消し、施工の中止を命じるのかどうかを明らかにするよう求めています。

 

 以下、新宿区議会議長あての陳情書、および新宿区長あての要望書の全文です。

 

 

建築確認業務の現行制度改善についての陳情

 

                                                                    平成171128

   新宿区議会議長殿

                                   郵便番号  161−0033

                                   住  所  新宿区下落合4丁目9番14号

                                   電  話  03−3951−3957(石渡方)

                                 下落合みどりトラスト基金

                                     代  表  栗 林 義 信

                                            他 19

●要旨

1.現在民間にも委ねられている建築確認業務を従来の自治体の業務に戻すべく法改正をするよう、国に求めることを要望します。

2.新宿区の建築審査担当関係各部課が互いに情報を共有し、透明性の高い総合的な審査をするよう要望します。

 

●理由

 マスコミが連日大きく報道していることでありますが、千葉県の姉歯建築設計事務所によるホテル・マンション耐震強度偽造設計が発覚し、現在の建築検査のあり方につぃて全国的に大きな不安がひろがっています。全国122の民間検査機関のうち、新宿区では17の民間検査機関が指定され、そのうちには姉歯事務所に協力したとみられる「イーホームズ」がはいっています。

 過日、私ども「下落合みどりトラスト基金」は、中山区長様に、近隣住民の訴訟に関して、東京地方裁判所の判決が出るまでは、建築主からの建築確認申請を受けても確認しないことを求めましたが、その返書において、「地域住民の同意を得ているかどうかは確認の要件とはされない」が故に、申請があった場合は法6条4項によりこれを受理し確認済証を交付しなければならない、と述べています。これでは住民はどうしようもありません。本来官の仕事であるべき検査を1999年に民間に委託して以来、新宿区は17の民間検査機関を実地に監察したことがあるのでしょうか?

 住民の安全や住環境の保全に関係する認可事項は営利主義の先行する民間に渡してはなりません。国、地方自治体が専管事項として守るべきものであります。

 そこで、現在民間に一部委ねられている建築確認業務を従来の自治体の業務に戻すべく法改正をするよう、新宿区が国に求めることを要望します。

 そして、新宿区の建築課をはじめとする実質的な単独審査を廃し、周辺地区の住環境を保全するべく関係各部課(例えば企画政策部、都市計画部、環境土木部)が互いに情報を共有し、透明性の高い総合的な審査をするよう強く要望します。

 住民の住環境安全意識が高まっている現在、新宿区の英断に期待しております。

(以下書名欄略)

 

 

 

(仮称)「下落合4丁目集合住宅」建築に関する要望書

 

                                                                       平成171128

   新宿区長殿

                                   郵便番号  161−0033

                                   住  所  新宿区下落合4丁目9番14号

                                   電  話  03−3951−3957(石渡方)

                                 下落合みどりトラスト基金

                                     代  表  栗 林 義 信

                                    副 代 表  石 渡 正 行

                                            北 村 幸 夫

                                    事務局長  武 田 英 紀

                                     会  計  森 山   崇

1.要旨

 近隣住民の訴訟に関して、判決以前に建築確認済証が発行され建築者が施工を開始していた場合、新宿区は判決を無視して黙認するのか、東京都安全条例第4条3項での認定処分(安全特例認定)を取り消して施工の中止を命じるのか、明らかにしてください。

2.理由

 先般提出しました私ども「下落合みどりトラスト基金」の建築確認に関する請願につきましては、中山区長様より、平成17年10月14日付け(17新都ト第30号)の文書にて確かにお返事を頂戴し厚く御礼申し上げます。

 私どもといたしましては、東京地方裁判所の判決が出るまでは、新宿区は建築主からの建築確認申請を受けても確認しないことを求めたわけですが、貴返書においては、「地域住民の同意を得ているかどうかは確認の要件とはされない」が故に、申請があった場合は法6条4項によりこれを受理し確認済証を交付しなければならない、と述べておられます。

 杓子定規の法律論でゆけばその通りかもしれませんが、本件(下落合4丁目集合住宅)は安全条例の特例を適用した新宿区の認定処分を違法として住民が提訴している事件であって、上記のような一般論から判断すべきものではありません。

 地裁が新宿区の認定処分を無効とする判決を下した場合、この件の建築確認の前提そのものが崩れるわけでありますから新宿区の威信に深い傷をつけることになりましょう。

 また、判決以前に建築確認済証が発行され建築者が施工を開始していた場合、新宿区は判決を無視して黙認するのか、東京都安全条例第4条3項での認定処分(安全特例認定)を取り消しして施工の中止を命じるのか、明らかでありません。

 「その時に適切に考慮する」のではなく、あらかじめ解明しておいて頂きたいと思います。

 

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