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鮮やかに色づきはじめた屋敷森

 

ここ数日、雨もよいで昼と夜の寒暖さが激しいせいか、朝夕には、下落合に霧や靄が立ちこめました。しっとりした空気の下落合を散歩すると、少しずつ樹木の葉が色づいてきたのがわかります。「下落合みどりトラスト基金」が保存運動をつづける屋敷森の木々も、秋の深まりとともに、日々ゆっくりと冬への装いを始めています。

東京の霧の日は年々減少し、いまでは1965(昭和40)前後と比較すると10分の1とも言われています。霧の発生条件は、適度の温度と湿度、それに無風に近い条件が必要ですが、都内の乱開発により現在では緑地が減少し、空気が乾燥しているため霧は発生しづらくなっています。新宿区の下落合は、それでもかろうじて緑地帯が残されていますが、今またそのひとつが「開発」という名の破壊により、消え去ろうとしています。これ以上、東京の冬を乾燥させないために、また東京の夏を高温化させないためにも、都内に残った希少なみどりをできる限り守りたいと考えます。

 

屋敷森の木々はそろそろ冬じたくを始め、ケヤキや桜の葉が色づきはじめています。たぬきが好物の柿も、美味しそうな色合いになって熟してきました。上の写真は昨年の秋に撮影した、たぬきの食べた残した柿の皮です。雑食性のたぬきは、人の食べるものは同様になんでも食べるようです。だから昔から、人里近くでも棲息できてきたのでしょう。これからも、下落合の自然がいつまでも保存されることを願ってやみません。

 

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