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視察後に開かれた環境建設委員会レポート

 

 1014()午前10時より、新宿区議会において環境建設委員会が開かれました。その結果、「下落合みどりトラスト基金」が保存を求める屋敷森についての陳情は、「継続審議」ということになりました。「継続審議」の理由は、周辺住民が新宿区長を被告として裁判で係争中の案件について、簡単に結論は出せないということのようです。

 

 環境建設委員会の採択は、全員一致を前提としているようですので、「継続審議」はしかたがないのかもしれません。ただし、14日の委員会では、環境建設委員(区議会議員)のみなさんによる、新宿区の建築課や計画課などを相手に、かなり突っ込んだ質疑応答が行われました。以下、委員会で行われたやり取りの一部です。

委員・・・環境建設委員会のみなさん(区議会議員)

委員

1222日に、なぜ特例認定を出したのか?

建築課長

9月末に建築主から相談があり、話し合いの結論がその日に出たということで、あくまでも技術的判断で認定したものだ。

委員

すでに11月には、住民からの陳情が議会で採択されていたにもかかわらず、それでも認定を出したのはなぜか?

建築課長

陳情書の要旨は、あくまでもみどりを残すことにあったので、建築自体の技術的、法的な問題はクリアしていると判断した。

委員

1222日に、区長が住民と会見することは事前に知っていたのか?

建築課長

(言いよどみつつ)内容までは知らなかったが、会見があることは知っていた。

委員

まだ確認申請は出されていないが、緑化計画はどうなっているのか?

みどり課長

建築主側と4回ほど協議したが、まだ相談段階で計画書は出されていない。

委員

緑化についての事前協議は、いつまでかかるのか?

みどり課長

建築主側が計画書を提出するのがいつになるかは、相手次第なのでこちらでは不明だ。

委員

建築主側は、前回の説明会で1030日着工と言明しているそうだが、この点についてはどうか?

計画課長

緑化計画書もまとまっていないし、確認申請も出されていない現状では、30日着工は困難だろう。

委員

確認が下りてから裁判で争えというが、それでは屋敷森の貴重な樹木がすべて伐られてしまう。どうやったら樹木を守れるのか、担当課に任せず総力をあげるべきだ。

都市計画

部長

確認前に、業者に対して文書指導も含め、強く指導していくつもりだ。

 このほか、建築審査会が周辺住民の訴えを“門前払い”したことについて、委員がその理由を改めて質問したのに対し、新宿区側は裁決書の内容をそのまま読み上げるような、要領を得ず誠意のない答弁をしていました。

 委員会を傍聴した感触では、全体的に新宿区側が屋敷森の件では、かなり苦慮していることがうかがわれました。委員会の結論は「継続審議」ですが、環境建設委員会のみなさんが区側に対して、かなり鋭い質問や強い要求を出されてましたので、新宿区としてもことここにいたり、なんらかの打開策を打ち出さざるをえない状況に立たされたのではないかと思われます。

 

「下落合みどりトラスト基金」では、引きつづき新宿区の動きに注目するとともに、1030日着工を言明している業者に対しても、警戒の目を向けていきたいと考えています。

 

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