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学習院の森の近くでたぬきを救出

 

下落合とは山手線をはさんで反対側の高田、ちょうど学習院大学のある目白崖線(バッケ)下に、大規模な高層・大型マンションが2棟つづけて建設中です。その前の排水溝に落ちたたぬきを、近くにお住まいの方と、工事関係者のみなさんが協力して救出するという出来事がありました。

 

227日早朝の午前3時、近くにお住まいの方がたぬきの鳴き声で目が覚めたところから、丸1日にわたる救出劇がはじまりました。最初は、アライグマかフェレット、あるいはハクビシンだと思われたようです。それにしては大きいということで、当初は警察官を呼んだそうなのですが、わけのわからない法律論と杓子定規な原則論を長時間くりかえすばかりで、まったく役に立たず、そのままお引き取り願ったとか・・・。

 

その日の夕方になっても鳴き声がやまず、たぬきは鉄柵のある排水溝から出られなかったようです。そこで、マンションの工事に来ている作業員に救援を頼むと、退勤時間をすぎているにもかかわらず10人前後の方々が協力してくれたそうです。エサを与えながら誘導して、うまく救出しようとするのですが、ちゃっかりエサだけ食べて人間のほうには近づいて来なかったようです。

 

左写真がマンション工事の様子で、左手が学習院のバッケ森(目白崖線)

 右写真は明治通りをはさんで同じ崖線沿いの、目白不動(金乗院)からの眺め。

そこで、排水溝の鉄柵を開けたまま固定するようなしかけを、作業員の人たちが工具と建築材を用いて作ってくれ、しばらくこのままにしたら出てくるかもしれない・・・ということになりました。作業の最中に、名前も「ポン太」と付けられたとか。そのころには、午後830分をすぎていたそうです。案のじょう、深夜の0時ごろになって、あたりに人の気配がなくなったころ、たぬきは排水溝から出てきてみどりのある公園の方角へと去っていったそうです。

下落合の森には、少なく見積もっても4家族10匹以上のたぬきが棲息していますが、考えて見ますと上の空中写真でも明らかなように、学習院の森のほうが下落合に残るみどりよりも、はるかに規模の大きいことがわかります。つまり、昔からたぬきが棲みついている可能性が高く、下落合以上に棲息数も多いのではないでしょうか。

 

それが、みどりのたび重なる減少により、エサを探す範囲が拡がって、人に目撃される確率が高まってきているのだと考えます。先日のフォーラムでもお話が出ましたが、たぬきはどこからかやってきたのではなく、はるか昔からこの土地へ棲みつづけてきた動物のひとつにすぎないようです。

 

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