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防災マップの観点から考える屋敷森周辺

 

1990年代末に下落合の町会などによってまとめられた、「防災マップ・落合第四小学校避難所地域」というチラシがあります。落合第四小のPTAなども協力して作成したものですが、この中に掲載された地図には、下落合の防災上たいへん重要な情報が描き込まれています。

 

貯水槽や消火器の位置、防災倉庫、避難所、防災無線、坂道などのポイントがマークされていますが、中でも気になるのが、×印の「行き止まり(通り抜けできない)」道路と、★印の「消防車進入不可能な道」の存在です。特に★印の消防車両が入れない道は、通常の大きさの消防自動車を想定しています。ふつうの個人住宅なら、通常サイズの消防車や小型消防車両でもなんとか消火できるかもしれませんが、集合住宅など大きな建築物の火災などで出動する、大型の消火車両を想定すると、さらに★印は増えるのではないかと思われます。

 

★印の「消防車進入不可能な道」は、単に道幅が狭いというばかりでなく、その道へ消防車が進入しようとしても、角を曲がりきれないという意味合いも含まれています。つまり、役所が机上で図面を見ながら「認定」する、単なる道幅の広狭だけではなく、現実に角を曲がってその場所へ消火車両がたどり着くことができるのかどうか?・・・という、実質的かつ重要なテーマが内包されています。

地図上の新しい赤い×印「行き止まり」、および印「消防車進入不可」は、現状を踏まえて追記したものです。上下の地図では、バージョンが異なるせいか記号の分布が多少異なっていますが、新日本建設が集合住宅の建設を予定している屋敷森周辺は、昔ながらの入りくんだ狭い道路や、細く鋭角な曲がり角などが散在し、大型の消防車両が連続して進入できる環境にはありません。

 

十分な広い道路にまったく面しておらず、ここに住民100名を超えるような大型集合住宅を建設することが、防災上いかに危険であるかが、直接的におわかりいただけると思います。もし、この集合住宅でひとたび火災が発生した場合、救急車はともかく、大型の消防車両が現場へスムーズに到達できるかどうか、非常に危惧すべき課題であると考えます。

 

※この防災マップは、定期的に改訂されていると思いますので、できれば最新のものをご参照ください。

 

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