トップページ

防災の観点から屋敷森を見る

 

720日に記事をアップしましたように(建築審査会による「請求却下」の詳Click!)、屋敷森は南側・東側は3m以上の崖、北側は2m以上の壁と鉄条網、東側は近接住戸が接近しています。そして、接道はわずか4mしかなく、公道への長さは30mにもおよんでいます。その敷地の様子を図面化したのかが、下記の図版です。

もし、この敷地で地震や火災などの災害が起きた場合、避難路となるのはわずが4m×30mの道路しかありません。つまり、ほぼ四方を住宅に囲まれているため道幅拡張の可能性もなく、旧・遠藤邸の屋敷森は極端な袋小路のような形状をしています。消防車や救急車などの緊急車両も、この4m×30mの路地を使用する以外になく、スムーズな救援活動ができるかどうかもわかりません。マンション状に近い集合住宅を建てるには、防災上も大きな問題をはらんでいるといえます。

 

先にもご報告しましたように、新宿区は東京都安全条例43項の特例を用い、認定処分(建築認可)を行いました。このような立地的にも危うい敷地条件のうえに、大型の集合住宅を建設すること自体、そして特例をあえて適応したこと自体に大きな疑問を感じます。

 

下落合とは、山手線をはさんで反対側にある「目白運動場」の緑地帯を、文京区が全面保存しようと本格的に動き出しました。100億円を超える敷地だそうですが、文京区は緑地保全と防災などの観点から、買い取りへ向けて積極的な協議に入りました。以下、毎日新聞の記事です。

 目白運動場の取得へ協議 緑地保全、防災に(毎日新聞」7月18日)Click!

目白運動場は、昨年から保存を呼びかける運動が活発化し、周辺住民や団体などが約4,000名の署名を集め、文京区への保存を訴求していました。その活動が、見事に実を結びつつある状況です。

 

「下落合みどりトラスト基金」には、すでに約5,000名に近い署名が集まり、しかもナショナルトラストの運動形態から、買い取りの一部を負担するため、実に23,500万円の寄付金が「新宿のみどりを守りたい!」という声とともに集まっています。「トラスト基金」では、環境保全に積極的な文京区につづき、新宿区の英断に強く期待したいと思います。

 

 

Copyright © 2005 Shimoochiai Midori Trust. All rights reserved.