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池袋から眺める下落合のみどり

 

目白崖線(バッケ)に沿って、南側から観察する下落合の緑地帯は比較的大きく見えますが、北の池袋側から見ると、そのみどりの小ささ、新宿区のみどりの少なさに改めて愕然とします。高層ビルの合い間に、小さく横たわるのが御留山、すなわち「おとめ山公園」のみどり。そのすぐ手前の緑地が、豊島区が保存に成功した「目白庭園」です。

左側のビルに隠れているところを山手線が走り、その先には新宿西口の高層ビル街があります。また、右手のビルの背後には、旧・遠藤邸の屋敷森から薬王院の森へと連なるグリーンベルトが見えるはずです。中央遠方のビル群は、東中野から中野坂上あたり。

こうして見ますと、「下落合みどりトラスト基金」が保存に向けて運動をつづけている緑地がいかに小さく、ささやかなスペースであるかを嫌でも実感してしまいます。もはや、新宿には区として保存・管理できる、まとまった緑地帯と呼べるような森林は、区ではなく国が管理する「新宿御苑」を例外として、ほとんど数えるほどしかありません。ここは新宿区にはぜひとも、みどり保存の積極的な取り組みの姿勢を見せてほしいものです。

(ビルの陰で屋敷森は見えない)

屋敷の解体工事が終了してから、すでに3週間がすぎました。いつ、屋敷森の樹木すべてが伐り払われ更地化されても、おかしくない状況がつづいています。新宿区内や東京都内をはじめ、みどり保存のために全国から寄せられた「トラスト基金」への寄付額は、およそ国内におけるこの種の区画限定型運動では未曾有の、実に23,500万円に達しています。

もし万が一、新宿区がこの森の保存に失敗するとすれば、純粋に住民たちが起ちあげた、おそらく日本で最大クラスの「トラスト基金」運動をバックアップできなかった首都の自治体として、長く環境保護の歴史上に語られることになるでしょう。

 

 

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