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屋敷森から眺める富士山

 

 旧・遠藤邸の森からは、富士山を鮮やかに見ることができます。新宿北部の目白崖線(バッケ)に建てられた家々の2階からは、たいがいどこからでも眺められたと伝わっています。いまでは排気ガスの影響から、残念ながら空気が澄んだ日にしか見ることができません。それでも、富士山を見られる日が、以前よりはかなり増えてきました。

 

 東京には、「富士見坂」と名づけられた坂道が、そこらじゅうに存在します。江戸時代を含め、町中はもちろん丘陵のある地域からは富士山が鮮やかに見えたことでしょう。この旧・遠藤邸の屋敷森が公園化され、木組みのちょっとした櫓(やぐら)でも造れば、樹木の生態観察はもちろん、下落合の崖線の景観を一望のもとに観察できるばかりでなく、木々の間からは富士山も眺めることができます。武蔵野の自然の景観をそのまま観察できる、都心でも稀有な活きた“自然教室”となるでしょう。

 

 将来は新宿区はもちろん、都内でも有数な自然観察の重要ポイントとなるかもしれません。数年先の目先のことではなく、1020年先まで見越した広い視野・視界が問われていると思うのです。

(旧・遠藤邸の屋敷森から見た富士山)

(哲学堂上のバッケから見た昔の富士山/『おちあいあれこれ写真館』より)

 

 

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