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エコギャラリー新宿「新宿のまちづくりフォーラム」レポート

 

 「エコギャラリー新宿」の開設1周年記念イベントとして、64()に開催された「新宿のまちづくりフォーラム」において、「下落合みどりトラスト基金」がプレゼンテーションを行いました。午前中は、新宿中央公園内にある区民ギャラリー前で、阿波踊りやトトロダンスなど、さまざまな野外イベントが行われました。

 

      ↑区民ギャラリー建物と入口。

 

      ↑区民ギャラリー前のイベントと、中山弘子新宿区長のあいさつ。

 午後130分より、「環境都市を目指して―まちづくり活動をつなげよう―」というテーマのもと、フォーラムのパネルディスカッションが始まり、「トラスト基金」では活動の経緯や現状などを、区民のみなさまへ向けてビデオやスライドをまじえながら報告しました。フォーラムへの出席者は、以下のとおりです。

●コーディネーター

 崎田 裕子 (NPO法人新宿環境活動ネット 代表理事)

●パネリスト

 壱岐 若子 (有限会社リボーン エコツーリズム・ネットワーク)

 壱岐 健一郎 (NPO法人新宿環境活動ネット 副代表)

 森山 崇 (下落合みどりトラスト基金)

 須永 徹 (株式会社ジャパンビバレッジ)

■フォーラム経過

(1)コーディネーター挨拶

 “ヒートアイランド現象”や“地球温暖化”などに負けず、都市の中で快適に暮らしたいという気持が大きくなってきています。その大切な答えのひとつが、みどりを活かす暮らしの知恵・まちの知恵。快適な新宿をつくる地域との連携の活動が、いまほど大切な時期はないように思えます。そんな中、ここでいくつかの取り組みを紹介します。()

 

(2)「まちに冷気を!/みどりを活かす暮らしの知恵・まちの知恵」(壱岐若子)

 すだれやオーニングによる日射遮蔽と、みどりによる日射遮蔽とでは大きな違いがあります。オフィスと自宅の両方で、個人レベルでもできる「みどりのカーテン」づくりを実践。オフィスは、新宿御苑に面していて環境に恵まれていますが、自宅は特別みどりに恵まれているわけではありません。この両方で朝顔、へちま、ニガウリといった蔓性の植物を育て、プランターを利用して「みどりのカーテン」づくりを推進しています。オフィスではベランダに蔓をはわせていますが、どちらでも育っていく過程が毎日とても楽しみです。()

 

(3)「ドイツTOKYOUしんじゅく環境展」(壱岐健一郎)

 2005年は、日本における“ドイツ年”ということで、新宿で「ドイツTOKYOUしんじゅく環境展」を計画しています。7/257/30の間、新宿駅西口地下街をメイン会場として展示をします。エコギャラリーは、サブ会場として利用します。()  ドイツの環境首都といわれるフライブルク体験エコツアーの映像をまじえて、この街でのソーラーシステム、風力電力の利用、市民の工夫などの紹介がありました。

 

(4)「水とみどりの保全と再生/タヌキの森を守ろう」(森山 崇)

 最初に、旧・遠藤邸の美しい屋敷森ビデオ(約7分)を放映しました。屋敷の解体前に撮られた庭園の春・秋・冬と折々、新宿区に残るかけがえのない武蔵野原生林の、美しい自然や風情を紹介しました。その後、パソコンのプレゼンテーションツールを使って、これまでの活動の経緯と運動の現状とを、下落合上空の空中写真などをまじえビジュアルでわかりやすく報告しました。特に「トラスト基金」方式という、市民レベルでの募金活動によるこれまでの大きな成果を、区民のみなさんや新宿区へ強くアピールしました。全体的に「トラスト基金」という方法論、あるいは実践論にポイントが置かれた紹介となりました。

 

(5)「循環型の地域づくり/紙カップリサイクルのしくみ」(須永 徹)

 (株)ジャパンビベレッジは、自動販売機で清涼飲料水などを販売している企業です。紙カップをリサイクルするにあたり、区内で営業を行っている自社のみならず、競合他社(コカ・コーラ)や異業種会社(マクドナルド)に呼びかけ、統合的なリサイクルを実現しています。現在、徐々に成果をあげつつあるようです。

■パネルディスカッションの概要

壱岐 若子

(有)リボーン エコツーリズム・ネットワーク

個人レベルであれ、小さな活動であれ、つづけていくことで周囲に少しずつ広がると信じている。

壱岐 健一郎

NPO法人新宿環境活動ネット 副代表

環境都市フライブルグ、あるいは環境に敏感な国代表のようにいわれるドイツでも、理想通りでないところや矛盾するところは多々ある。その点だけで見ているつもりはないが、個人でできる取り組みのみならず、街自体で電力、風力、環境に取り組んでいる姿勢は、示唆に富んでいると思われる。

森山 崇

下落合みどりトラスト基金

わたしたちの活動がひとつの契機になって、新宿区みどりの基金条例が、いま開かれている区議会で従来のものより有効なものに改正されようとしている。世界的な環境問題の流れの中で、新宿区が率先してみどりを守り、未来の大人である子供たちへ、人に優しい土地を残してあげられるようにしたいと思う。

須永 徹

(株)ジャパンビバレッジ

新宿のみならず、他の地域にもリサイクルを拡大できればと考えている。企業なので、ペイできるかどうかが大きなポイントなのだが、現在の感触からペイできそうなので発展性がある。

■質疑応答

再開発地域に住んでいる者ですが、いろいろな利害、考えの人たちが話し合うのに、白か黒かで話し合っても平行線になるので、そうでない話合いをしていくのにアドバイスは?

答えになるかどうかわからないが、いろいろな話が出てくる。わいわいがやがや、みんなでやっていくのが肝要ではないか。

「下落合みどりトラスト基金」について、新宿区の現在の動きがみえてこないが、どういう状況にあるのか知らせてもらえるのか?

新宿区の環境保全課長として本日出席しているが、担当の部署とは違うので正しく答えられない。だが、そうした質問があったことは伝える。

ドイツなどでは、どういう環境教育がなされているのか?

教育プログラムを見ていないので答えられないが、生活の中へ自然と環境教育が組み込まれている部分が多い。

日本でも、子供たちの知識としては、昔よりずっと深い。あとは、知識だけでなく、生きたものとしての取り組み方。大人になってもその意識を持ちつづけられるか、そのための仕組みが必要では。

 「下落合みどりトラスト基金」では今後、イベントを介したプロモーション活動の一環として、以下のものへなんらかの形で参加する予定でいます。

 ●新宿エコ探検 626日(日) 10001400

   西口の「ヒルトン東京」「損保ジャパン東郷青児美術館」「都庁展望台」「未来科学技術情報館」「新宿

   地域冷暖房センター」などを巡るフィールド見学会

 ●ドイツTOKYOUしんじゅく環境展 725()730()

   新宿駅西口地下街をメイン会場として展示をする。「トラスト基金」もパネル展示などを企画する予定。

 

 

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