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「みどりを活かすアイデア」フォーラムレポート

 

 531()の午後7時から、落合第一地域センターにおいて、旧・遠藤邸の屋敷森保存に成功したあとの緑地活用についてアイデアを出し合う、「みどりを活かすアイデア」フォーラムが開催されました。約30名の参加者を集めて、そのままの緑地保存化や公園化など多彩な意見が出され、将来へ向けた下落合の自然を残すさまざまなテーマが話し合われました。

 

■開催趣旨

 「下落合みどりトラスト基金」の北村副代表より、新宿区は屋敷森を公園化するという前提で予算をつけていること、東京都建築安全条例の特例にもとづく認定についての再審査請求がなされているが、それ対する審議会の結論がなかなか出ないこと、したがっていまのうちに、屋敷森の保存に成功したあと具体的に森をどう活用するか、「トラスト基金」参加者のみなさんに“将来の夢”を語ってもらうということで、当フォーラムを開催した旨の説明をさせていただきました。

旧・遠藤邸に隣接するマンション「目白御留山デュープレックス」の住民のみなさんが、新宿区の特例認定に対して異議を申し立て、区に対して認定の再審査を請求しています。61日に審査会が開かれましたが結論が出ず、次回の審議会は76日に予定されています。「下落合みどりトラスト基金」が直接行っている活動ではありませんが、審査会の結論によっては「トラスト基金」運動に大きく影響するものと思われ、今後は「トラスト基金」としても支援していきたいと考えています。

■経過報告

 森山会計担当より、最新状況の説明をさせていただきました。まず、当初4月末までに屋敷の解体終了ということでしたが、その後、解体業者は5月末を想定して作業をつづけてきました。しかし、531日現在、いまだ3分の1ほどの作業が残っており、少なくともあと半月ほどはかかりそうです。また、新日本建設は、前回の業者の近隣説明会において、いきなり木を伐採することはしないと約束しています。目白御留山デュープレックスが行っている再審査請求の結果によっては、裁判になる可能性もありますので、もしそのような結果になった場合には、「トラスト基金」としてもできうる限り支援していきたいと考えています。以上のことを踏まえて、今後の「トラスト基金」の方針として次の3点を新たに追加・確認することにしました。

 

@「トラスト基金」に応募いただいているお金の返却期限を、従来は531日としていましたが、これを正式に延長させていただきます。公園化の可能性が消滅した時点で、すみやかに返金することとします。

それ以前に返金をご希望の方は、事務局までお申し出ください。

A従来は、「トラスト基金」への募金活動のみを行ってまいりました。しかし、メンバー拠出による運営資金が運動の長期化により底をついていますので、これからは「トラスト基金」運営のための募金活動も、併せて始めさせていただきます。

B万が一、再審査請求の結果により裁判闘争になったとしても、その支援のために「トラスト基金」の募金をつかうことはありません。あくまでも個人ベースで、弁護士費用などを支援する方向で検討いたします。

■経過報告に関する質疑応答

弁護士費用はどのくらいを想定しているのか?

弁護士費用の手付け金として、200万円ぐらいと考えている。

審査請求の結論が出るまで、家は建てられないのか?

建物を建てるためには、確認申請が必要となる。確認申請と審査請求とは別のことなので、やろうと思えば建設業者は別個に確認申請を提出することができる。しかし、建設の確認申請が通るには、まだいくつものハードルがあるのが実情だ。

代替え地の話はどうなのか?

代替え地は、その代替え先の地域でも住民とのトラブルがありえるので、そのような考え方はしないというのが新宿区の姿勢のようだ。

タヌキの近況について教えて?

子供が生まれたのではないかという情報もあるが、確認していない。 きょう、TBSが朝から撮影に来ていたが、子ダヌキの撮影に成功したとは聞いていない。このフォーラムも取材していて、TBSは近日中に放送する見込みと聞いている。

 62日に確認でき、サイトへ写真を掲載済み。Click!

■公園化が実現したのちの夢やアイデア

 新宿区が公園として買い取る場合、土地評価額の54,000万円について、土地開発公社の予備費を充てることが確認されています。その場合、現時点での区の条件として・・・

  公園化すること

  建てられる建物は敷地の2

 ・・・という条件があるといわれています。この条件を前提に、買い取りに成功したあかつきの“夢”や、森に対する熱い想いなど、みなさんの多くの声が集れば、新宿区を動かす新たな力になりえるかもしれません。当フォーラムに出席できなかった方々からの、手紙やメールをご紹介させていただいたうえで、出席していただいた方々に方向性を決めていただきました。

  () なにも造らず、基本的にそのままにしておく。

  () 区民が利用できる、なんらかの建物を造る。

 上記の仮定で、どちらに賛成か挙手をしていただいたところ、ほとんどの方々が()を選ばれました。以下、みなさんのご意見の一部をまとめてみました。

1

なにもいじらないほうがよい。既存の空間をフルに活用し、ベンチやショーケース的なものを設置。

2

なにも造らずに自然のままにするのが大事。タヌキが棲んでる森があってもいいのでは。

3

人が1日に何人訪れるかどうかに、こだわらなくても良いのでは。そこに自然がある・・・ということがとても大切。

4

自然をそのまま残すが、自然に草木が育っていく環境づくりの維持管理は必要。人工的なものは造らない。危険性も考慮に入れて安全面を確保。

5

転勤族だが、下落合にこのような自然が生きていることが嬉しい。微力ながら応援したい。

6

春に公開された時に拝見した。建物が解体されてしまい、とても残念。建物がないいま、あまり考えることができない。

7

おとめ山公園で遊んだ経験がある。子供の自然教育の場としてふさわしい。

8

何も造らない。住民が責任をもって掃除など維持・管理をしていく。

9

基本は、大きいものは造らない。ただ、夢として“ファーブル昆虫館”のようなものがほしい。

10

「ことぶき館」(新宿区立の老人会館)のような機能を備えた施設はどうか。落合散策の休憩所という機能をもたせたらどうか。

11

完成度の高い庭園なので、なにも付け加えることはない。落合を散策される人にとって、ちょっとした休憩処がいると思う。

12

「おとめ山公園」は防犯上、子供だけでは入れないという現状をふまえ、安全面に配慮しつつも基本的にはいじらない。学校が生きている自然教材として、積極的に利用できるようにしたい。

13

(解体前の)茶室を残したい。学童保育のようなもので、図書室付きのものを建てたい。

14

自然のままなにもしない・・・という、最高のぜいたくさを味わう場所にしてほしい。

15

心地よい風を大事にしたい。自然のままにしたい。

16

お手洗いと東屋ぐらいは造って、あとはそのまま。

17

見晴らしのよいところなので、美しい景色を見ながら美味しいものが食べられる施設がいい。

18

既存のものを利用した場合、2%以上の建物がOKになるかもしれない。今度、区に訊いてみたい。

 以上のように、屋敷森の活用に関する夢や希望が熱く語られるフォーラムとなりました。最後に、「トラスト基金」の今後の方針などについて、参加者のみなさまへできるだけ早めに告知したい旨をお伝えして、閉会となりました。

 

 

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