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旧陸軍航空隊による昭和初期の下落合上空

 

 旧陸軍の航空隊による、下落合上空から撮影した空中写真を入手しました。当サイトには、1947(昭和22)に米軍のB29より撮影された、焼け跡の下落合空中写真はたびたび掲載してきました。しかし、昭和初期の空中写真が存在することを知り、ようやく入手することに成功いたしました。上空から下落合地域の詳細が撮影されたのは、これがもっとも早い時期のものではないかと思います。

 

 目白崖線(いわゆるバッケ)の濃いグリーンベルトが、クッキリと南斜面に沿って見られ、戦後の米軍による空中写真の撮影時よりも、はるかに濃いのが見てとれます。昭和初期の下落合の様子が手に取るようにわかり、旧・遠藤邸はもちろん、戦災で焼けてしまった邸宅群や、戦後取り壊されてしまった屋敷町などの様子が、はっきりと写っています。また、薬王院の瑠璃山や氷川明神社の森、通称“大倉山”の濃い森林などが残っており、当時のみどり豊かな下落合界隈の風景が拡がっています。

 現在の下落合を上空から見ますと、山手線をはさんで学習院から御留山(おとめ山公園)、旧・遠藤邸界隈、野鳥の森公園、薬王院と連なるグリーンベルトは、細々とした帯状になってしまっており、もし旧・遠藤邸の屋敷森が壊されてしまいますと、もはやみどりはベルト状ではなく、分断されて島状になってしまい、動植物などの生態系に与える影響ははかりしれません。

 「下落合みどりトラスト基金」では、新宿区ばかりでなく都心でも有数の武蔵野原生の森を残すべく、署名や募金活動などを日々つづけております。

 

 

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