4月9日の「下落合みどりトラスト基金」第3回報告会レポート 「下落合みどりトラスト基金」の第3回報告会が、4月9日(土)午後6時より落合第一地域センター3階の集会室において開催されました。ちょうど東京じゅうの夜桜が見ごろとなった週末のため、参加される方はいつもより少なめだと予想していたのですが、それでも閉会までにはのべ100名弱のみなさんが参集されました。また、新たに地元選出の議員の方々も、党派を超えて多数参加くださいました。 ■ビデオ放映 旧・遠藤邸の最新映像を含む、屋敷森の様子が放映されました。庭の東側にあるサクラの巨木が満開で、これから新緑の季節にかけて、森は1年でもっとも美しい表情を見せます。 ■経過報告 おもに屋敷の解体・移築作業が始まって以降の、「トラスト基金」の活動経過を武田事務局長より報告させていただきました。新宿区への署名活動の強化をはじめ、専門家の方々からのアプローチの展開、さらに企業等による大口寄付などの受け皿づくり、安全性に懸念のある建築に対する審査請求についてなど、より幅広い活動の必要性が訴求されました。 特に、わずか4mほどの公道に接しているにすぎない集合住宅(マンション状長屋)の建築計画が、救急車輌の出入りが必要となる火災などを含め、防災上においても「安全」だと認めた新宿区の認定に対し、住民たちが行っている審査請求の内容も詳しく紹介されました。また、企業の大口寄付を募るため、国際青年環境NGOである「A SEED JAPAN」Click!の理事でいらっしゃいます青木様にもお越しいただき、特定公益増進法人へ寄付協力の打診をしている旨、報告させていただきました。 ■ひかり工房社長の小玉様による報告 屋敷の解体・移築業者である、ひかり工房(山形県)の小玉社長が報告会へ出席くださいました。屋敷の解体については地元でも批判が少なくない中で、まず報告会へご出席いただいた“勇気”に敬意を表します。屋敷内部の解体とともにいろいろな発見があったこと、解体した屋敷の部材は文化財として自治体が「残す」決定をする可能性がゼロではないので、一応倉庫を借りて東京に残していること、新日本建設に4月28日までに解体を終えるように強く要請されていること、屋敷の建材は外様大名だった前田家らしくあえて最高の部材をふんだんに、しかしきわめて目立たないように使用していること・・・などが報告されました。 ●前田家の家紋を発見 家紋を欄間へ4つに分割してデザインしているらしく、それを合体させると前田家の家紋になるようです。それが前田家のどの家紋(富山or大聖寺)なのか詳細はまだ不明ですが、「前田子爵邸を移築して建造した」という地元の伝承はどうやら正しかった模様です。建物は、明らかに“茶の湯”をコンセプトに造られているとのことでした。昨年12月に行われた新宿区による建物調査の際、なぜそこまでわからなかったのか、いまとなってはたいへん悔やまれます。 ●髷(まげ)と古文書を発見 また、報告会前日の8日(金)には、天井裏から髷(まげ)と古文書が見つかり、屋敷の部屋または部材の一部は江戸期までたどれるのが判明しています。まだこれからも新たな発見がありそうですが、続報はこのサイトで随時、ご報告しようと考えています。 ●屋敷に関する質疑応答
■新宿区議会議員のみなさん 屋敷を元へもどし、そのまま維持することを前提とした買い取りは、現在の新宿区の財政事情ではかなり難しそう・・・とのことです。時間が限られている中で、みどりだけでも残せたら・・・という方向性に転換せざるをえないのではないかとのお話が出ました。すばらしい屋敷であることが改めて確認できたことはうれしいが、今後、屋敷を残すことによる新宿区の継続的な維持管理と経済的な負担を考えると、本来の目的であるみどり保存を優先して、屋敷はあきらめるほうが現実的だとのご意見が強く出ました。 新宿区自体の対応は、以前に比べて相当変ってきているようです。地元の盛り上がりを伝えるために、新宿区の「道とみどりの課」Click!などへ、どんどん質問や要望することの重要性が指摘されました。また、4月15日(金)に予定されている「新宿区みどりの推進審議会」Click!で、「トラスト基金」の活動を取り上げるとのことです。区民の傍聴ができるので、ぜひ多くの方々に参加してほしいとのことです。。 ■質疑応答
今回はいつもより1時間も早く開会したにもかかわらず、またもや地域センターの閉館時間まで報告会はつづきました。次から次へと質問や意見表明が相つぎ、屋敷の解体・移築はしかたがないのかもしれないが、武蔵野原生林である屋敷森だけはなんとしても丸ごと残したい・・・という声が多かったように感じました。 新宿区の「道とみどりの課」への多くの方々の要望、また「新宿区みどりの推進審議会」へのみなさんのご参加を、「下落合みどりトラスト基金」ではお待ちしています。 |
|
||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
Copyright ©
2005 Shimoochiai Midori Trust. All rights reserved. |