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石原東京都知事へ要望書を送付

 

現在、旧遠藤邸の屋敷(建造物)の保存が難しくなっていることをうけ、「下落合みどりトラスト基金」では石原慎太郎・東京都知事へ「下落合『旧遠藤邸』の屋敷と森の保存を求める要望書」を送付しました。石原都知事へ、屋敷および屋敷森保存に向けてなんらかの支援策を期待します。

 

 

下落合『旧遠藤邸』の屋敷と森の保存を求める要望書

 

平成17325

東京都知事  石原 慎太郎 様

下落合みどりトラスト基金

代表   栗林 義信

 

私どもは『下落合みどりトラスト基金』のメンバーであります。『下落合みどりトラスト基金』は、新宿区下落合4丁目9番にございます『旧遠藤邸』の保存、公園化に対し、財政難である新宿区に寄付をするため、基金を募り寄付をする事を目的として本年1月に発足しました。325日現在、23000万円ほど集まっております。『旧遠藤邸』は、東の新宿区立おとめ山公園、西の薬王院、新宿区立野鳥の森公園の間にあり、グリーンベルトとも言うべき緑地帯の一角をなし、都心とは思えない自然の残る地域に位置します。大正時代に建造されたと考えられる屋敷と、都心にありながら絶滅危惧種である猛禽類のツミやタヌキを始め、貴重な動植物が生息する570坪の土地でございます。平成16年11月に下落合4丁目9番の集合住宅建設計画が公表されて以来、私どもは様々な角度から保存を模索して参りました。区議会への陳情書、中山弘子区長様への買い入れの要望書ならびに署名、基金活動、専門家による鑑定、業者との交渉、審査請求です。この審査請求は新宿区みどりの条例に明らかに違反している重層長屋建設において、接道4mしかない路地上敷地に特例をもって建設許可をした処分認定に対してのものです。区議会では計画見直しに関し超党派で全会可決し、中山弘子区長は土地評価額である54000万円の支出の発言をなされました。現在77000万円という購入資金があり、当初の売値である75000万円を超えています。しかし、土地所有者である新日本建設は、利益分を考慮した108000万円でしか売る意志はないとの意向で、我々はこの3億円の差を埋めるべく、手を尽くしていますが、近日中にも屋敷部分の解体が始める模様です。また、審議会でも区の任命する審議委員であるがため、認定取り消しが出るか否かは困難が予測されます。このままでは、話しの決着がつく前に更地になってしまいます。

 私どもは活動を続けるなかで、『旧遠藤邸』が如何にすばらしく、保存に値するものであることを実感しております。東京大学 藤森 照信教授(建物調査: 建築史家・工学博士)、慶応大学 石川幹子慶應義塾大学環境情報学部教授、東京環境工科学園技術士(庭園調査)の大崎清見氏、長岡造形大学大学院 上山良子教授(庭園調査: ランドスケープアーキテクト)など専門家の報告をまとめますと、当屋敷や庭園の歴史的重要性、独創性、保存状態および南斜面という立地のよさは、新宿区はもとより都内でも類を見ない貴重なもので、文化財として後世に残すに価するというものでした。私どもは、この3億円に開きを埋める目的で、各専門家に依頼し別紙の様な区長への要望書を頂きました。さらに、庭園の評価は4億円になるとされています。しかし、未だ区の購入には至らず、近日中に解体と全ての森の伐採が始まろうとしています。本来、本問題は東京都庁関連各所にお願いすべきものですが、時間的に追い込まれ、東京都知事であられます石原 慎太郎 様に直接ご相談することとなりました。可能であれば隣地からご視察頂ければ幸いです。無礼なお願いと存じますが、保存、公園化に対し、何卒ご支援賜りたくお願い申し上げます。

 

連絡 下落合みどりトラスト基金 事務局長 武田 英紀

(以下略)

 

 

 

 

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