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屋根に落ちたタヌキの救出大作戦!

 

226()の午前中に、薬王院の西側に隣接したマンションの屋根に、タヌキが落ちてしまって動けないでいる、「吹き抜けの廊下から誤って落ちたらしい。どこにも行くことができず、かわいそうだから助けて欲しい」という情報が入りました。落ちたのは、下落合のグリーンベルト一帯に棲息する、野生タヌキの1匹のようです。「下落合みどりトラスト基金」では、さっそく専門家の方へ連絡をとり保護する道具を手に、「基金」メンバーとともに現場へ駆けつけました。

住民の方が、体力を消耗しないようにエサを与えてくれたようですが、それを狙って周辺のカラスが集まるなど、現場へ到着したときタヌキは少しぐったりしていました。タヌキがうずくまっているマンションの屋根は、地上から5m以上あり自力では降りられない場所です。無理に飛び降りようとすれば、手足を折ってしまいそうな高さでした。

さっそく救出手順が詰められ、捕獲網で捕まえてケージ(保護檻)に入れ森へ帰すことになりました。幸い、タヌキはどこにも怪我をしていない様子です。ただし、人間におびえて走り出し、屋根から墜落することが心配なのと、救出時に人が噛まれはしないかが気がかりでした。でも、救出はうまくいきました。ちなみに、このタヌキは毎晩K邸に現れてエサを食べていく2匹のタヌキとは、ぜんぜん別の個体のようです。

 

屋根に落ちてうずくまる下落合ダヌキ。落ちてから時間がやや経過したせいか、かなり疲れている様子でした。また、エサをめぐってカラスと激しく争ったのかもしれません。わたしたちが着いたときには、片すみでジッと動かずにいました。

 

 

さっそく、救出の方法が練られました。マンションの3階部分なので、人間に驚いたタヌキが逃げ出し、誤って下に落ちたらたいへんです。正面に見えている森が、下落合のグリーンベルトの西端、薬王院の濃いみどりです。

 

慎重に手順が決められました。まず網でタヌキを捕獲し動きを封じ、つづいてケージへ誘導する・・・という方法がとられました。こうすれば、タヌキが逃げ出し、誤って屋根から転落する危険性を最小限にすることができます。

網をかぶせ、暴れないようにしっかりとタヌキを保護します。噛まれても大丈夫なように、手には防牙用の手袋をしています。疲れているのか、タヌキはそれほど激しい抵抗はしませんでした。

 

 

無事、ケージへ誘導に成功。人の足と比較すると、タヌキの大きさがわかると思います。捕獲時の緊張のせいか、おもらしをしてしまった様子です。

左下の写真は、解放前の様子。右下の写真は、おそらく棲家のあるらしい「事故現場」のマンションに隣接する薬王院の森です。

 

 

このあと、野鳥の森公園で解放しました。タヌキは、薬王院の木々が繁る丘上へと、一目散に駆け登っていきました。いったい、下落合の南斜面には何匹のタヌキが棲息しているのでしょう? 目撃情報や子連れの数から判断しますと、少なくとも5匹前後はいるのではないかと思われます。

野鳥の森公園や薬王院の森を越えて、タヌキが住宅街の久七坂方面まで“出張”しているとは、わたしたちにも驚きでした。これでタヌキの目撃地点は、東は山手線のガード脇にあるコンビニ周辺から、西は聖母坂に近い住宅街まで、実に下落合の斜面全域におよびます。

 

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