Chichiko Papalog 「気になる神田川」オルタネイト・テイク

柳橋の一流料亭めぐり

1950年代、すでに新橋や赤坂の料亭街が繁盛し、銀座のクラブに客を取られていたとはいえ、柳橋にはまだ90軒を超える料亭が存在していた。江戸期からつづく老舗から、大震災以降に営業を始めた新興まで、実にさまざまな特色を備えた料亭が軒を並べていたのだ。

その中から戦後、焼け跡からいち早く再建した一流の料亭を紹介しよう。この中のほとんどの料亭は、いまや存在しない。親父が柳橋芸者の引退式に、わたしを連れて出かけたと思われる「柳光亭」も、1970年前後に身売りしてしまった。

亀清

 

柳光亭

 

柳水

 

北原

 

あとを見ぬ 人の乗る 故猪牙という

手負猪牙 柳橋から 走るなり

筏来り 猪牙の行衛を 見失い

津久松

 

 

はやし

 

卯の木

 

とんぼうも 猪牙も南へ 尻を向け

相談が きまり柳を 北へ向け

小安

 

深川亭

 

松葉家

 

吉原の 方へ柳の 葉をとばし

ひらり来る 猪牙は元手の 入つた奴

たか橋

 

いな垣

 

田中や

 

 

船までが ほつそりしたが 息子ずき

江戸つ子の 生れそくない 猪牙に酔

君は船 臣は帰れと 柳橋

 

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