Chichiko Papalog 「気になる下落合」オルタネイト・テイク

学習院高等寄宿舎「昭和寮」

 

 学習院高等寄宿舎「昭和寮」は、急峻なバッケ(目白崖線)上に建てられている。「昭和寮」が建てられた昭和初期、スパニッシュスタイルの建築が大流行し、特に目白文化村(大正期)Click!の外周、第二文化村外れの南側斜面“ムウドンの丘”や、旧・翠ヶ丘(山手通りを挟んだ反対側の丘)あたりには、現在でも当時の建築住宅を見ることができる。また、個人住宅ばかりでなく、隣りの高田町や戸恍ャなどでは、集合住宅や高級アパートなどにもこのデザインが取り入れられている。

 左は、昭和初期に建てられた、牛込区内の高級アパート。壁はクリームか薄いベージュで塗り、オレンジ色の独特なスペイン瓦を載せた屋根が特徴的だ。「昭和寮」でも見られるが、円形や半円形の窓には鮮やかなステンドグラスがはめ込まれていることが多い。玄関脇には、スパニッシュスタイルの住宅には欠かせない棕櫚の木が見える。上へ向けてひな壇状に構成されたスカイラインが、近くにあった「昭和寮」を連想させる。

 では、「昭和寮」の外周からの眺めと、内部を見てみよう。

@ A

 空中写真の番号順に、おとめ山公園側から上がってくると、「昭和寮」の壁がつづく道@の切れ目から、第3寮棟Aを間近に観察することができる。本館の正門・玄関もそうだが、すべての寮の入り口は北へ向いており、多くの部屋の窓ができるだけ眺めのよい南側、あるいは東側へ向くように設計されている。

B

 Bは季節違いの、冬の「昭和寮」。周囲の樹木がほとんど落葉し、建物を観察するには冬場のほうがいいかもしれない。春夏秋は樹木の緑が濃く、建物の全体像をなかなか見ることはできない。

C D

 Cの右手は、現在は別館と呼ばれて、チャペルや神殿のある結婚式場となっているが、「昭和寮」だったころは舎監棟だった建物だ。Dは、正門位置から本館正面を見る。

EG

F

 Eは、いまでは駐車場になっているため、正門脇の東側に位置する門衛棟を近くで観察できる。番号が前後するが、Gは崖下の鎌倉古道から見上げた日立目白クラブ。手前に日立の社員寮「目白ハウス」が建てられたため、ほとんど4棟の寮棟が見えなくなっている。下から見上げると、バッケ状の急峻な斜面であるのがよくわかる。Fは、めずらしいアングルからの眺め。hedawhigさんご提供の南斜面の写真で、寮棟を間近で観察することができる。

階段の意匠

待合室

大広間(旧・大食堂)とバー

 

別館への入り口()と、内部にあるチャペル()

 

  

   

 

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