Chichiko Papalog 「気になる目白文化村」オルタネイト・テイク

文化村に建てられた家々の意匠

アメリカ風

「バンガロー」というのは、もともと東洋の建物が源流になっているようで、日本人にも抵抗感なく、むしろ好んで受け入れられたように思える。バンガロー風の住宅は、機能的で勾配屋根に特徴があり、屋根裏部屋が設けられるのが通例だった。また、同じ屋根裏部屋を備えた「クイーン・アン・リバイバル」と呼ばれるデザインの住宅も、大正期には好まれていたようだ。

 

 

スペイン風

スパニッシュ様式の住宅は、大正末期から昭和初期にかけで大流行した。本シリーズでも、第二文化村の周辺にスパニッシュ様式の屋敷が多いことに気づかれた方もいるだろう。スペイン風の住宅はスペイン本国からではなく、米国の西海岸から伝わったとみられている。“文化住宅”の特徴である玄関先の棕櫚と、とてもよくマッチしている。

 

ライト風

1923(大正12)にフランク・ロイド・ライトによって建てられた帝国ホテルを皮切りに、日本ではライト風建築が大流行した。本シリーズでも、第一文化村で最大の敷地を誇ったK邸のライト風住宅を紹介している。ちょうどこのブームの最中に目白文化村は建設されているが、昭和初期を迎えるころには、ライト風よりもスペイン様式や近代主義を意識した住宅が増えてくる。

 

住宅改造博覧会モデルハウス

1922(大正11)に目白文化村が開発された年、東京では平和記念東京博覧会が開かれ、会場には「文化村」と呼ばれるモデルハウス展示場が設けられた。また、同年には大阪でも大阪建築協会主催による「住宅改造博覧会」が開かれている。本シリーズでも触れたが、改造住宅の特徴は個室を重視したプライバシーの尊重、台所のシステムキッチン化、家族が団欒できるリビングルームの導入など、今日の日本住宅の基本コンセプトがすべて盛り込まれていた。

 

 

 

 

 

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